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4月18日 報告

 

 俺 「ここの会社、なんで報告してないの?」

 花沢「そんなに重要じゃないと思って」

 俺 「‥‥」


 言葉に詰まってしまう。


 花沢「すいません」

 俺 「いや、急に謝られても」


 いろんな感情が出てきて何も言いようがなかった。


 俺 「ここの会社どんな感じ?」

 花沢「ここは、靴下中心のアパレル関係の会社です」


 この前、檜に聞いたがあまりわからなかった。最終的には、行ってないのでしらないですよとバッサリ言われたのは面白かった。


 俺 「売り上げとかは?」

 花沢「年々上がってきているので大丈夫かと」


 なんか根拠がまったくない。コイツの大丈夫は、今まであんまり当てはまらない気がする。


 俺 「懸念点は?」

 花沢「うーん。たぶん、大丈夫です」


 なんだそれ?つい反応してしまった。


 俺 「ちょっと、待ってよ。新規の会社で何も懸念点ないの?」

 花沢「うーん」


 あぁ。話にならない。なんで、こんなにテキトウに仕事してしるんだろうか?

 

 俺 「前から言ってるけど、新規の会社にはきっちり見といてよ」

 花沢「見てるんですけど」


 キレそうになってしまった。なんで、ここで言ってくるんだよ。


 俺 「じゃあ、わかるんじゃないの?」

 花沢「いや、わかりませんよ」


 一瞬、点を見上げた。


 俺 「なんで、わからないの?」


 優しく伝えた。


 花沢「見てるところが違いますよ」

 俺 「何が?」


 何が言いたいのか?花沢とは、しっかり話さないとコミュニケーションが取れない。


 花沢「伊東さんは、全体を見てるかもしれないけど、私は契約をとることに意識を向けてるんです」


 なんだ、それ。お前もやれればいいんじゃないのか?


 俺 「契約に意識向けてるのはいいことだよ。そこのに加えて全体を見れたらいいんじゃないの?」


 言い方を変えて説明をした。


 花沢「それは、伊東さんだからできるんですよ」

 俺 「ん?」


 露骨に落ちこんでいる花沢が見えた。言い方に気をつけながら、やりとりを続ける。


 花沢「私は、伊東さんみたいにできないんですって」

 俺 「そんなことないよ。できるよ」


 なんだ、このよくわからない励まし方は。


 花沢「あそこの会社もなかなか難しかったんですよ。これでも」

 俺 「新規とれたんだから、いけるよ。それくらい」


 嫌なことを言わないといけない自分が本当に嫌だった。

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