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4月17日 新規事業

 今日は、4月入って初めての営業会議となった。営業会議は、営業4人の責任者と中村、深山を合わせた6人で行われていた。会議室に入ったが、誰も喋っていなかった。いつもは明るい中村ですら、資料を見ながら眉間にシワを寄せていた。なんか、嫌だな。俺は。そんな会議室の緊張感が高まる中、深山が登場し、会議が始まったのだった。まず、最初に各営業課は売り上げ報告を行っていた。

 俺たち三課は、最近できた四課よりはよかったが、一課や二課とはだいぶ売り上げが低かった。こんなに低いとやっぱり自分のマネジメント力の低さに嫌気がさしてしまう。悔しいなぁ。こんな形で自分の弱さが露呈してしまうなんて。俺たちが売り上げ報告を行うと、次は、新規事業の説明が始まろうとしていた。

 来年から、俺たちは新規事業を立ち上げる予定だった。この事業は、今後の会社こ将来を左右する新サービスだった。すでに、何社かはうちに頼みたいと俺の特定の取引先からは言われていた。じゃあ、新サービスの計画状況について説明していきますね。中村さんは、少し声を張りながら話し始めた。まずは、進捗状況ですが、現在社内で4名の確定者がおります。4名?どういうことだろうか?俺は、よくわからなかったが、口を挟むことはしなかった。

 新規事業のリーダーは、益子という檜の同期のやつだった。凄いな。どんだけ出世してるんだ、コイツは。すると、中村さんに呼ばれたように益子は、会議室内へと入ってきたのだった。じゃあ、今から、新規事業リーダーである益子くんから、話してもらうぞ。

益子は、手に抱えていたパソコンを起動させ、大型モニターとつなぐ。そして、プレゼンテーション用のスライドを映し出した。全体を映してくれたが、とてもよくできているように感じた。こんだけ、できれば出世するだろうな。なんとなく、益子がリーダーであることが理解できた。

 益子は、プレゼンテーション用の資料を使いながら、わかりやすく俺たちに伝えてくれる。時々、中村や深山が質問や意見を伝えるも、さらりと返してしまう。他の営業部の責任者たちも興味深そうに聞き入っていた。そして、最後にこの事業を成功させるには、営業部との連携が必須であることを熱心に伝えてくれた。益子の言う通りだ。こうして、みんなの前で手伝ってくださいとシンプルにお願いすることが最も必要なことは。しかし、そんな簡単なことがみんなできないのもまた現実だった。

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