4月16日 会社
今の仕事の業績は忘れて、今日から切り替えて頑張る。それしかなかった。今日は、外回りはせず、社内にいて、全体の状況を檜と確認しあっていた。話をすればするほど、漏れが起きていることに気がついていてしまった。
檜 「先輩、この会社どうしますか?」
俺 「なんて言う会社?」
今日まで契約してきた会社一覧のプリントを見してくれた。
檜 「靴屋株式会社」
どこだろうか?あんまり聞いたことのない名前だ。
俺 「どこそれ?」
檜 「聞いたことないすか?」
なんか、嫌な予感がした。
俺 「ああ」
檜 「最近、花沢さんが開拓してきた会社らしいですよ」
アイツ、報告してねぇな。いろんな思いがこみあげてきたが、一旦胸の中に抑えた。
俺 「そうなんだ」
檜 「全く見てないですか?」
俺 「うん。全くだな」
やっぱり話を聞いていると怒りがこみあげてきそうだった。でも、花沢は今日いない。それが唯一の救いだ。
檜 「結構伸びてきている会社らしいですよ」
俺 「そうなんだ」
全く知らないな。
檜 「一応、来週アポ入ってるんで行くか行かないか決めてください」
俺 「わかった」
とりあえず新しい会社ということで俺も頑張らないと思った。
檜 「後、urousっていう会社とmenberっていう会社。あとは、学校とか保険会社」
"urous"、"menber"。なんだそれ?
俺 「urousとmenberってどんな会社だ?」
檜 「一つは、ファッション系の会社でもう一つが飲食店かな」
最近できた会社かな?
俺 「なるほどな。二つとも新規かぁ」
檜 「そうなんですよ」
俺は、檜からもらったプリントを見つめた。
俺 「取りに行くしかないな」
檜 「本契約まで時間がかかるんじゃないか」
俺 「そうだな」
もう少し値段を上げて交渉したいな。
檜 「楽しみですね」
俺 「だな」
再び、パソコンに打ちこみ始めた。
檜 「伊東さん、そろそろ飲み会しましょうよ」
俺 「えー、めんどくさいよ」
飲み会ねぇ。
檜 「なんでですか?」
俺 「俺は、そういうの好まないの知ってるだろ?」
資料の量は膨大だった。
檜 「知ってますけどいいじゃないですか?」
まだ山形さんたちは帰ってこなかった。いつ帰ってくるだろうか?




