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4月15日 営業三課

 4月から15日が経過した。4月29日からは、GW休みがあるからそこまではとみんな頑張っていると思っていた。4月28日は、久しぶりの同期会も開催する予定だった。15日たった営業三課の俺たちのチームは、なんとも言えない状況だった。山形、花沢、檜、石木、中丸、そして俺の6人のチーム。しかし、今、現在売り上げは今ひとつだった。昨年との現時点での売り上げ対比としては、マイナス100万ほどある。原因は、明白。山形と花沢の不調だろう。入社して時間が経っている二人にはもう少し結果を出してほしいところだったが、高山や比良の営業先を引き継いでいることもあり、あまり無理は言えなかった。

 そんな二人と対照的に頑張っているのが、檜だった。相変わらず文句は多いけど、コツコツと結果を積み重ねていた。わずか、15日だけど昨年よりプラス100万の成績を出していたのだ。昨年と比べて、一人で営業先に行って、きっちりと契約をとってくる檜の姿はとても頼もしかった。これから、そこに続いてくれると願って、石木と中丸を育成している途中だった。二人がどれだけ結果を出せるかはわからないけど、途中で諦めるわけにはいかなかった。

 しかし、本音を言えば、もっと頑張ってほしいというのがチームへの想いだった。営業成績だけで言えば、他の3人よりも俺の方が結果を出している。営業成績2位の檜と売り上げ差は、約800万の差だった。これは、かなりの差だ。それは、新人社員も同じだった。昨日、中村さんから、渡されたプリントには、石木と中丸の研修での様子や評価のようなものがが書かれていた。

 たしか、今年は新入社員が13名くらいいるらしいが、その中でも、総合評価は、10位と11位だった。見た瞬間、とんでもない二人を俺は引いてしまったんだと理解してしまったのだ。当然、先輩社員も頑張れよという気持ちになっていたが、このプリントを見てから、この先輩たちの方がいいなと思ってしまったのだ。中村さんも、研修にいたらしく、なぜ、この評価になったのかを聞いた。その要因は、"言われたことをやるだけ"という印象になっていたそうだ。たしかに、そういう人は他にもいたらしいが、その人たちは、何か一生懸命しようという姿勢が感じられが、二人からはそれすら感じられなかったそうだ。中村さんからは、これからだよと声をかけてくれたが、俺の中では不安が募る一方だった。

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