表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/80

4月13日 期待の星


 中村「どう、調子は?」

 俺 「うーん。微妙ですね。なんか、いろいろと」


 今日も中村は、巡回しながら話をしてくれた。ちょうど、仕事がひと段落したところだった。


 中村「そっかぁ。まぁ、新入社員もいるから頑張ってよ」

 俺 「オススメ誰かいるんですか?」


 毎年恒例の新入社員の状況を確認した。


 中村「うーん。まだまだ、これからかな。でも、遠山くんなか面白いよね」


 遠山?


 俺 「誰ですか?」


 あまり、身に覚えがなかった。


 中村「えっーとね。歓迎会覚えてる?」

 俺 「あっ、一応覚えてますよ」


 結構、酔ってたから本音で言うと、あまり覚えていない。


 中村「あの時、挨拶あったでしょ?」

 俺 「はいはい」

 中村「野球部の男の子いたでしょ?」

 俺 「あー、あの子ですね」


 たしか、最初の方に発表していた子か。


 中村「うん。あの子なんかよく頑張っててね。二、三年後とか面白そうだよね」 

 俺 「へー、そうなんですね」


 中村さんが言うなんて珍しい。


 中村「まぁ、今現在時点だけどね」

 俺 「うちの中丸と石木は、どうですか?」


 少し苦笑いをしながら答えた。


 中村「どっちとも、これからって感じはするけどね」

 俺 「まぁ、そうですね」


 これ以上、深く聞くことはできなかった。


 中村「期待できそうなの?」

 俺 「まぁ、どうですかね。花沢や檜を早く脅かしてほしいですけどね」


 俺の本音だ。花沢や檜がうかうか仕事ができないような状態になれば、もっといい職場になるんじゃないかと思っていた。


 中村「それは、頼もしいな」

 俺 「アイツらもゆっくりしてないで働いてほしいですよ。ホントに」


 嫌味も含めて話をした。


 中村「伊東くんが育ててるんだから大丈夫ないの?」

 俺 「大丈夫そうに見えますか?」


 相変わらず、中村さんもプレッシャーをかけてくる。


 中村「どうだかねぇ。ハハハハ」

 俺 「絶対、濁してますよね」


 中村を詰める。


 中村「濁してないよ。二人とも期待の星だからね」

 俺 「絶対嘘でしょ」

 中村「そんなことないよ」

 俺 「いや、そんなことありますよ」


 二人とも同期で出世をしている奴らは少ない。


 中村「頑張ってるからね」

 俺 「頑張ってたらいいみたいなんやめてくださいよー」

 

 中村さんは、微笑みながら回答してくれた。

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ