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4月9日 緑黄色会社

 今日は、商談の日だった。相手は、この前電話がかかってきた緑黄色会社の山城。


 山城「はじめまして。緑黄色会社の山城と申します」


 とても、営業をしているような人には見えなかった。まだ、高校生か大学生ぐらいのようなあどけなさがうつる。


 俺 「はじめまして。ソートミール株式会社の伊東です」


 とりあえず、相手が年下であれ、丁寧に挨拶をし深々とお辞儀をした。


 山城「お忙しい中、ありがとうございます」

 俺 「いえいえ。お電話で話した感じだと、うちのネットサービスをという感じですか?」


 インターネットサービスについての質問を投げかけた。


 山城「そうです。まずは、サンプルみたいなかたちをさしていただけないかなと思いまして」

 俺 「サンプルですか?」


 一瞬、戸惑った。基本的にお試しで使用するというのはあるが、それは契約をする前提で、どのランクのサービスを受けるかというのが基本だ。しかし、この山城が言っているのは、まだ契約が決まっていないという段階だ。


 山城「はい」


 山城は、俺の表情を見た。


 俺 「サンプルということはお試しでしたいというかたちですか?それとも実際に使用してすぐ決められるかたちですか?」


 いくら相手が若い人であっても、俺も譲れないものがある。


 山城「一応、ニ週間ほど試したいと思っています」

 俺 「ニ週間ですかぁ」


 完全にうちをなめている。これは、なしだな。俺は、さっさと商談を終わらせることにした。


 山城「難しいですかね?」

 俺 「そうですね。ニ週間使用するとなると、ある程度、お金がかかってしまうので」


 山城は、落胆しているみたいだった。


 山城「そうですかぁ」

 俺 「申し訳ないです。もし、よかったら同業他社なら紹介させていただきますよ」


 せっかく来てもらったし、せめてのというところだった。


 山城「‥‥」


 言葉すら出てこない。


 俺 「どうされました?」

 山城「お気持ちはありがたいんですけど、、、、」


 もしかしたら、俺たちに許可を出してもらえると思っていたのだろうか?


 俺 「では、また機会がありましたら、よろしくお願いしますね」


 さらに顔色が曇っていく。


 山城「‥‥」


 また、黙りこんでしまった。こんな若い子に、苦しいことを伝えたくはなかったが、俺も簡単に承諾することができないという事実をくんでくれたらなとせめてを願った。

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