表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/80

4月3日 プレゼン資料

 新入社員の二人は、なかなか凄かった。まだ、3日目だったが、部署内での評価も悪くなかった。これから、どうなるのか楽しみだった。石木、中丸とは、ほとんど話せていかなかったから、部署で歓迎会を開こうと花沢に誘われていたのだった。

 一方、新入社員だけに目を向けることはできなかった。檜や花沢たちも見ていかないと、何をするかわからない。新入社員じゃないとはいえ、まだまだ育てる必要があった。俺は、昼休憩のこの時間帯にこれからのことを考えていた。すると、別部署に行っていた檜が戻ってきた。


 檜 「伊東さん、この資料確認お願いします」


 帰ってきて、そうそう俺への仕事かぁ。相変わらず、俺のことを舐めていたのは変わらなかった。新入社員も入ってきたんだし、そろそろ改めろよな。檜からは、10枚ほどのプリントがホッチキスで留められていた。


 俺 「何、これ?」


 もらったプリントをめくる。


 檜 「今度、社内でプレゼンするんですよ」


 檜の言葉を聞きながら、文章を読んでいく。


 俺 「いつ?」

 檜 「6月です」

 俺 「6月なの?」


 6月といえば、毎年一番忙しい時期だ。人が辞める時期でとあるしトラブルも起こる。そして発注も多い時期で重なってしまうのだ。


 檜 「そうなんですよ」

 

 俺は、資料に目を向けながら、文字を読んでいく。檜にしては、とてもいい文章だった。昔は、こんなものも書けなかったから、大きな成長を感じていた。


 俺 「いいじゃん」

 檜 「よっしゃあ。これでいけるな」


 なぜか、自信があるみたいだった。


 俺 「慌てるなよ」


 焦る檜を、静止した。


 檜 「えー。慌てますよ。急いでるんですから」


 コーヒーを飲みながらリラックスしていた花沢を横目に話した。


 俺 「お前だったら、楽勝だろ?」


 チラリと檜を見る。


 檜 「そんなことないですよ」


 どこか嬉しそうな檜は、顔を覆い返す様に話した。


 俺 「誰が気になるんだ?」

 檜 「そりゃあ、山本だったり蔭間とかは」


 山本や蔭間は、檜と同期ですでに役職に就いているものたちだった。


 俺 「ああ。あの二人ね」

 檜 「そうですよ」


 どこか気にしているみたいだ。


 俺 「まぁ、アイツらとは比べない方がいいんじゃないか?」

 檜 「そう言われると、余計気になりますよ」

 俺 「そうか?もっと楽しめよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ