3月31日 緊急会議
緊急会議は、不穏な空気が流れていた。
中村「じゃあ、取り引き先とのトラブルの原因は、何になりますか?」
みんなは、一斉に総務部の前川の方を見た。
前川「私が聞いたのは、取り引き先の方から、マーケティング部の方に対するクレームでした」
ペン回しをしながら、耳を傾ける。
中村「ちなみに、どういうクレームでしたか?」
前川「マーケティング部の方の言い方についてでした」
中村「飯島さん、マーケティング部の誰ですか?」
飯島「橋間です」
羽川「橋間ってどんな子?」
中村の横にいた羽川は、話し始めた。
飯島「4月から2年目になる子です」
羽川「その子って、営業じゃないの?」
飯島「違いますよ。ちゃんと覚えてください」
飯島は、鋭いツッコミをいれた。
羽川「わるい。続けて、中村」
司会進行の飯島に話を戻した。
中村「現在の対応教えてください」
飯島「今は、向こうの会社と話し合い途中です」
髪をかきあげながら、飯島は話した。
羽川「ごめん、なんていう会社なの?」
飯島「HUAです」
この会社は、俺も以前目を通したことがある。
羽川「どんな会社ですか?」
飯島「食品系の会社ですね」
HUAは、ネット中心に販売している食品会社だ。最近、HUAは、売り上げを伸ばしており、提携を申し込む会社も多いみたいだ。
羽川「食品系ってことは、ネットサービスってことかぁ」
ウチのネットサービスを使っていることに対して、どういう風に思っているのだろうか?
中村「そうそう。だから、契約打ち切りも考えてる」
一斉に、中村の方を向いた。簡単に契約を打ち切るなんてできない。でも、それくらい強気の姿勢を示しているみたいだった。
飯島「私としては、打ち切りではなく和解でもっていこうと思ってます」
打ち切りも視野に入れた中村と相反する答えだった。
中村「そうなれば、いいけど。最悪打ち切ってもらっても大丈夫ですよ」
飯島「わかりました」
果たして、どうなるのか。この問題は?
中村「まぁ、他の部署もそうですけど、契約関係も含めてしっかりやっていきましょうか」
今日の会議に出席していたのは、約9人。まだ、20分しか経過していなかったのに、もうトラブルの話題は終了しようとしていたのだった。




