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3月29日 資料作成

 4月まで残り3日。俺は、営業終わりで資料作成に取りかかっていた。この資料作成は、自動でできないかなぁ。パソコンを打ちながらそんなことを考えていた。この作業は、どう考えても俺には向いていない仕事だった。

 会社では、入社式の準備が始まっていた。俺は、担当ではなかったけど、花沢が担当でとても忙しくしているみたいだった。花沢によると、今年は、5人ほどで準備するらしい。4年目の花沢は、他部署の後輩たちと仕事をするということもあり、どこかしんどそうに見えた。

 今年の入社式は、これまで同様、全社員出席となる。俺たちの会社は、全員で83人。俺が入った頃と比べると、随分増えた。みんなで集まるのは好きじゃなかったけど、他部者や最近会えていない同期と会えるのはとても嬉しかった。同期が揃うことはなかなかないし、みんながどうしているのかはずっと気になっていた。

 千尋とはよく会っていたが、青野、今市たちとは会う機会が少ない。みんなで会うことによって他部署の状況や話を聞けることはとても俺にとって大事だった。仕事だけで言えば、千尋たちの方ができていたが、俺は、それ以外でこの会社に貢献する必要があった。

 最近、会社の売り上げは、右肩上がりで伸びてきている。会社が創設して、4月から7年目に入り、知名度も少しずつ伸びてきた。しかし、社員数も増えており、その分毎日トラブルが絶えない。こうした状況をどう捉えたらいいのか?自分でもよくわからないでいた。

 現在、俺たちがいる部署での売り上げは、全体で見ると3位。全部で7つあるうちの3位だからいいとも悪いとも言えない状況だった。これから、俺たちの部署では、花沢と檜が中心となるチーム作りが必要となってくる。

 しかし、その花沢と檜がコケてしまうと、これからの余裕はなくなってしまうというのが現状だった。4年目の花沢は、言われたことはきちんとこなしてくれる社員だった。しかし、常にネガティブで否定的な発言が多く、チームに与える影響も強かった。一方の3年目の檜は、主体的に動くことが多く、何も言わなくても動いてくれる社員だった。しかし、気分の浮き沈みが激しいこともあり、こちらもチームに与える影響は強かった。

 今は、会社のことを考えるほど余裕はなかった。とりあえず、この部署で結果を出さないと。再び、取り引き先の資料を作成しながら、チームのことを考えている自分がパソコン越しに見えたのだった。

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