3月26日 チーム
契約を打ち切られる会社がこれからも出てくるんじゃないかという不安が少しずつ芽生えてきていた。この前、契約を切られたサンデイは、ある程度仕方がなかった。しかし、大型契約となっているイトイ、双眼などとの会社との契約が切れるのは怖かった。最近、俺が取引をしていないこともあってその可能性とは常に隣合わせだった。
俺がいるチームで、最も心配なのが比良だ。たしかに休んでいるということも心配だが、みんなが帰ってくるのを待っている状態が困っていた。たしかに帰ってきてほしい。帰ってきてくれることに越したことはない。それでも、帰ってくるという保証は全くない。だったら、帰ってこない想定で動いた方がいいのにな。個人的に思っていたけど、そんな風には伝えれなかった。
村田さんは、もう40代の男性だ。俺たちの会社には途中入社で、これまで様々な仕事を経験されていた。経験豊富で優しく他の社員からもとても好かれていた。一方で、精神的に不安定な時が多く、時々会社を休まれることがあった。そのため、会社の人は心配しており、よく俺のことを聞いていた。中村は、俺たちのチームがどういう状態なのかは村田さんと話していたらすぐにわかると断言するほどだった。
花沢は、俺の1つ下の世代の後輩だ。よく話したいというような性格で、昼休み休憩の時には、いつも俺や檜に話しかけている姿を見ていた。話しかけてくるのはいいが、いつもよくわからない話だということには困っていた。こんなんで営業よくしているなという感覚だった。
檜は、まだ若いが、このチームでは一番期待される子でもあった。普段はおちゃらけていて、やる気があるのかないよかわからないような性格だった。しかし、年月が経つにつれて、自身の役割や俺から期待されていることも理解してくれるているみたいだった。最近では、営業成績も俺に次いだ2位の成績をとっていた。
そして、4月からは、このメンバーに加えて、高梨という女の子も加わるのだった。この前初めて会っただけなので、よくわからないがとてもサバサバした性格だった。仕事もできそうだし、檜には合っていると思うが、村田さんや花沢が上手くやりとりができるのかは気になっていた。
この4人と俺は4月からやっていく。不安の方が高かったが、とりあえずやるしかない。そういう想いだった。ただ、ガムシャラにやっていくことで道が拓けることを祈っていたのだった。




