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3月23日 ソートミル株式会社

 昨日、檜と話をしていた会社に電話をしようとしていた。


 俺 〈もしもし〉

 女性〈もしもし〉

 俺 〈私、ソートミル株式会社の伊東と申します〉

 女性〈お世話になっております〉


 とても丁寧に、私の説明を聞いてくれていた。


 俺 〈お世話になります。山本様、いらっしゃいますでしょうか?〉

 女性〈山本ですね。確認してまいりますので、少々お待ちください〉

 俺 〈はい〉


 電話は、女性の声から保留音へと変わった。相手がどんな感じてくるのか不安だった。たしかに、向こう側からしたら迷惑な話だが、こちらに落ち度は全くない。


 山本〈お待たせいたしました。山本です〉

 俺 〈ソートミル株式会社の伊東と申します〉

 山本〈お世話になっております〉

 俺 〈お世話になっております。先日、お話しさせていただいた件でお電話させていただきました〉

 山本〈あぁ、あれですか。あれなら、もう大丈夫ですよ〉

 

 相手の反応は、よくなかった。


 俺 〈よかったです。ありがとうございます〉

 山本〈もう少し、早かったらよかったんですけどね〉

 俺 〈大変申し訳ございません〉

 山本〈いえいえ。もう少しで、他の会社と契約することができなかったところですから〉

 俺 〈どういうことでしょうか?〉

 山本〈聞かれてないですか?他の会社と契約のりかえたんですよ〉

 

 動揺で受話器の手が震えた。


 俺 〈えっ、、、、。、なぜでしょうか?〉

 山本〈上司の高山さんでしたっけ?あの人から言われていた契約と先月言われていてた契約が違いましてね〉

 俺 〈ちなみにどこが違いましたか?〉

 山本〈今さら、それを言っても仕方ないじゃないですかぁ〉


 言葉を濁される。


 俺 〈私たちとしても、すぐに契約をのりかえられると影響が出るんですけど〉

 山本〈まぁ、それは御社で検討していただくとよろしいんじゃないですかぁね〉


 相手の山本は、俺を全く相手にしようとしない。


 俺 〈では、何がよくなかっただけでも教えてもらえますか?〉

 山本〈すいません。今、次のお客様を待たせてる状態でして、、、〉


 おそらく嘘だろう。でも、粘っても仕方がない。


 俺 〈かしこまりました。また、機会があればぜひよろしくお願いいたします〉

 山本〈はい、よろしくお願いします。失礼します〉

 俺 〈失礼します〉


 俺は、何もすることができなかった。

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