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3月20日 喜早旭

 ようやく休みの日になった。社会人になると、休みが遠く感じる。日曜日の夜になるといつも憂鬱だった。俺は、ベットから出られず布団にくるまっていた。今日は、昨日より晴れるらしいが、寒いのには変わりない。しかし、布団から頑張って降りて、喜早旭との飲み会に行く準備を始めた。

 20分ほどで準備して、俺は、居酒屋に向かった。居酒屋までは、車で10分ほどで着いた。思ったよりもすいており、俺はもう少し寝ていればと後悔した。まぁ、仕方ねぇか。店のなかに入っていくと、旭が待っていた。右手を挙げて、挨拶を交わした。


 俺 「久しぶり」

 喜早「久しぶりやな」


 焼き鳥の居酒屋で集まった俺たちは、話し始めた。


 俺 「最近、どうよ?」

 喜早「忙しいな。やっぱり」


 会話がオッサン化してることに気づいた。


 俺 「仕事?」

 喜早「うん。大学やめてから、いろいろとね」


 旭が大学を辞めるとい話は、俺たちの一大ニュースになっていた。あの頃は、前年の冬に全国大会でテレビにも出ていたということもあるのだろう。


 俺 「あの時、よくやめれたよね」

 喜早「自分でもそう思うわ」

 俺 「俺も、大学の時遊んでなければなぁ」


 "もし"の世界を気にしていた。


 喜早「そんな大学の時、遊んでた?」

 俺 「基本は、サッカーしてたんだけど。サッカー以外は、ほとんど遊んでたよ」


 大学時代は、サッカーよりも遊んでいた記憶の方が強い。でも、遊んでたなんて旭の前では言えない。


 喜早「そうなんや」


 大学を辞めてしまったことをどう思うのだろうか?


 俺 「旭は、やめたこと後悔してる?」

 喜早「いや、全く。忙しいけどさ、今、めちゃくちゃ楽しいんだよね」


 タッチパネルで注文していた旭の姿は、とても大人びていた。


 俺 「えー、羨ましい」

 喜早「そう?なんか自分がそう思ってるだけだと思うよ」

 俺 「それでもいいんじゃない?」


 自分を慰めるそう言った。


 喜早「まぁな。新は、どんな感じなの?」

 俺 「今はねぇ、、、」


 中村の顔が頭に浮かんだ。


 喜早「どうした?苦しんでるけど?」

 俺 「まぁな。なんていうか、うまくいかねぇな」


 俺は、お手ふきで手を拭いて、旭から視線を逸らした。


 喜早「今は、苦しむ時期だな」

 俺 「そんな苦しい時期いらねぇわ」

 喜早「まぁまぁ」


 旭は、この後も、俺をなだめるように話を聞いてくれたのだった。、

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