3月18日 花沢夢
今日は、一段と冷えこんでいた。もう春だから、少しは暖かくなってもいいはずなのに、、、。まさに、自分の心をうつすかのような気温だった。
檜 「伊東さん、聞いてます?」
俺 「ん?」
俺は、檜と花沢の話をまったく聞いてなかった。
檜 「絶対、聞いてなかったでしょー」
俺 「おう、悪いな。なんの話?」
檜 「最近、発売されたゲームですよ」
主語がなくてよくわからない。
俺 「なんのゲーム?」
檜 「スノークラフトです」
俺 「何それ?」
今、流行ってるゲームだが、俺は全くわからない。
花沢「だから言ったじゃないですかぁ、伊東さんは知らないって」
花沢は、俺がゲームに詳しくないことを知っていた様だ。
檜 「あんなゲーム知らないなんて、おかしいです」
俺 「知らねぇよ。ゲーム興味ねぇんだから」
ゲームは、小学校以来やってない。
花沢「ゲーム買いましょ、伊東さん」
俺 「いや、買わねぇよ」
花沢「勝ってくださいよー」
俺 「嫌だよ」
花沢は、ひつこく、俺にからんでくる。めんどくせぇな。
檜 「何で嫌なんですか?」
俺 「ゲームしたら、一生家でなくなるわ」
檜 「そうですか?」
俺は、二人の話を聞きながら、これから上手くやっていけるか心配になっていた。
俺 「うん。だから、全然してないわ」
花沢「みんなで、やりましょ?」
檜 「何やる?」
花沢と檜は、ノリノリだ。
花沢「やっぱり、スノークラフトでしょ」
檜 「あれやったら、初心者でもできるでしょ」
花沢「やりましょ。早く、勝ってください」
俺 「んー。まぁ、考えとくわ」
後輩の話だから、聞かないわけにもいかない。
花沢「どのレベルでやります?」
檜 「低いレベルちゃうかな」
二人とも勝手に話を始めている。すると、扉が開いた。扉を開けたのは、中村だった。
檜 「お疲れ様でぇす」
檜と花沢は、慌てて挨拶をしていた。俺は、さらっと会釈をした。
中村「何の話してんの?」
檜 「伊東さんがゲーム買ってくれないんですよ」
中村「ハハハハ。なんで、伊東くん買わないのー?」
笑いながら、俺の方を見てきた。
俺 「なんで買わなあんのよ。待ってるんですか?」
中村「いや、持ってないよ」
俺 「一緒じゃんかぁ」
中村「ハハハハ」
俺たちの昼休みは、あっという間に終わろうとしていた。




