3月17日 本人
今日は、朝から中村と打ち合わせをしていた。今日も昼からは忙しい
中村「どう、みんな?」
缶コーヒーを飲みながら、俺の方を見た。
俺 「うーん、まぁ、多少、動揺はあるんじゃないですかね」
今日、朝食べた、野菜が歯の間に挟まっている様に感じた。
中村「本人から、聞いた?」
この"本人"というのは、高山を指しているのだろう。
俺 「いや、聞いてないです。てか、聞いたらキレそうです」
あんな辞め方で許されるのかよ。
中村「キレるな」
俺 「いや、キレる案件でしょ」
中村「ハハ。村田さんは、どんな感じ?」
村田は、高山の次に年長者だった。とても、賢いが精神的に崩れやすい性格だっただけに、中村は、心配な様子。
俺 「もっと動揺あるかと思ったけど、意外とそんな影響なかったですね」
俺が見ている感じたと、檜の方が心配だった。
中村「そうなんや。じゃあ、そんな影響ない?」
俺 「どっちかというと、比良ちゃうかな」
中村「比良くんねぇ、うん」
比良守。彼は、どこで何をしているのだろうか?
俺 「みんなに伝えるんですか?」
中村「いや、このままふせとくかな」
比良が、俺たちの会社に戻ってくることは、おそらくない。会うこともできなければ、連絡をとることもできない。中村や深山も比良のことは諦めて、次の手を考えている様子だった。俺は、檜以上に比良のことを可愛がっていたから、ダメージも大きかった。
ただ、俺たちの部署では、比良が帰ってくると思っている人が多い様だ。それでも、中村は公表せずに、このまま進むことを断言している。後は、これから、比良と高山の影響がどれくらい出るかだろう。
中村「それより、4月入社の二人と会っとく?」
4月に入社予定の二人とは、まだ会っていない。他の人たちは、懇親会か何かで会っていたらしい。
俺 「その二人とは、同じ部署になるんですか?」
中村「今の時点では、わからんな」
これからのことということもあり、明確なことは言わなかった。
俺 「ですよね。だったら、決まってからでいいですよ」
中村「そうか」
俺 「とりあえず、今は、目先の売り上げに貢献します」
中村「わかった。また、気になることあったら、教えて」
俺 「わかりました」
気になることと言えば、昨日の代表の発言。ただ、そんなことは、中村には、言えなかった。




