3月12日 同期
今日は、朝からクレーム対応で俺たちは、忙しくしていた。先日行われたプレゼン資料も改善できぬまま、必死に取引先に向かっていた。
俺たちの部署には、高山、花沢、村田、檜がいる。檜以外は、全て先輩なので、まだまだペーペーだ。
檜 「先輩、これどうしたらいいすか?」
俺 「うーん。もうちょいページ数増やそか」
檜が持ってきた資料にマーカーを引きながら話した。
檜 「わかりました。量は増やさなくて大丈夫ですか?」
俺 「うん。今ある文章を、もうちょい見やすくする感じでいこ」
檜 「はい」
俺は、誤字脱字を確認しながら、資料に目を通した。檜は、デスクにすぐに戻ったが、また戻ってきた。
檜「先輩、今日ご飯行きましょうよ」
座りながら、俺の方に話しかけた。
俺「いや、めんどい。めんどい」
俺は、会社員の奴とは、あまり飲み会などに行かないようにしていた。
檜「行きましょうよー」
俺「いや、他の奴と行ってこいよ」
檜「誰とですか?」
俺「同期会ないの?」
檜が入社した代は、最も多い8人いた。
檜「最近ないですよ」
俺「佐田や宮本おるやろ」
檜たちは、何度も飲み会を繰り返しており、とても仲が良いという噂が回っていた。
檜「伊東さんと行きたいんですよー」
俺「じゃあ、俺が誰か呼んだるからそいつと行け」
スマホを取り出し、会社のメンバーを探した。ただ、檜に合う奴は、あまりいなかった。
檜「誰呼ぶんすか?」
俺「誰がいいの?」
檜「えぇー。伊東さんは、いつも誰とご飯行くんですか?」
俺「俺は、千尋とかが多いんちゃう」
多くを語らなかった。
檜「森川さんとか、ほとんど喋ったことないですね」
俺「今市とか青野は?」
檜「今市さんは、少しだけ話しました」
俺たちの代は、あまり同期会という、くくりではなかった。女子も2人いるけど、あまり仲が良くなかった。
俺「でも、話したことないんやったら、俺らの同期は無理やな」
檜「そうですね。他にいますか?」
俺「じゃあ、中村さんとか戸田とかは?」
檜「二人とも話したことあるんでいけますよ。でも、中村さんとか上すぎてダメですよ」
俺「じゃあ、戸田でいいんちゃう?」
檜「戸田さん面白いですけどね。伊東さんも行きましょうよ」
この後も、檜に誘われ続けた。




