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3月1日 生き方

 私は、行き詰まっていた。朝の通勤ラッシュに揺られながら仕事のことを考えていた。実は、昨日プレゼン資料の数値が違うことに同僚から連絡があった。昨日の時点では、上司は気づいていなかった様子だが、おそらく誰かが報告していることだろう。このミスは、決して許されるミスではない。

 俺は、同僚の今市に頼んで、資料の改善を頼んでいた。今市が資料を改善できていないと、今日、出社すると昨日ミスしたことが上司にバレてしまう。いっそのこと休んでしまおうかとも考えたが、いずれ行かないといけないなら今日行くしかなかった。

 

 There are only two ways to live your life. One is as though nothing is a miracle. The other is as though everything is a miracle.


 人生には2つの生き方しかない。1つはまるで奇跡など存在しないかのように生きること、そしてもう1つはすべてが奇跡であるかのように生きることだ。


 これは、かの有名なアインシュタインの言葉だ。私の人生は、まるで前者の様な言葉で表現されている。私は、大学を卒業してこの会社に就職した。就職して、はや四年。今年の六月で27歳になる。月収は、手取りで21万程。

 自分の市場価値は、この程度なのだろう。大学を卒業して、この手取り。自分が子どもの頃に描いていた数値とは違う。今、俺が就職しているソートミル株式会社では、営業の仕事をしている。一日中、電話かけと訪問を繰り返していた。友だちは、手取りで35万近くもらっており、華やかな生活をおくっている者も多い。

 小・中・高校では、サッカーをしてきて、大学ではサークルとバイトをしてきた。サッカーをしていた時は、スポーツ推薦で城星大学にいった喜早旭とダブルエースとして活躍していた。大学では、3年間、堂前淋と付き合って過ごすなどそれなりに楽しい思いもしてきた。

 しかし、就職してから、徐々に思い描いてきた人生とは変わっていく。"自分にも何かあるはず"。毎日、心の中で叫んでいた。ただ、そんなものは希望にすぎなかった。奇跡なんて起きないのに、いつまで待っているんだろう。自分が嫌で仕方なかった。

 アインシュタインさん。これも奇跡なのですか?いつになったら、自分にも奇跡は起きますか?

 

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