第三話
「そうだ、祐介だ!リリィ私と一緒にもう一人居なかった?」
「リナが死なないで!ってお願いした人だよね居るよー!そこだよ!」
リリィは近くにあった葉っぱの山を指差した。
「私植物の精霊だから、その人をこっちに運ぶ時に周りにあった木の葉っぱを使ったんだ!あ、リナはそんな事しなくても運べたよー♪だってリナは神子だもん」
葉っぱの山を掻き分けてみると、居た!祐介だ!ちゃんと息してる生きてる良かったぁ…でもなーんかおかしい気がする。何というかサイズ感が…小さいと言うか幼い。私たち今20歳のはずなのに、そうださっきから感じる違和感はこれだ!私も何か子供っぽくなってる気がするんだ!
「ねぇリリィ、私ね前の世界に居た時は大人だった気がするんだけど…今ってもしかして子供に見える?」
「え??運ぶ前にリナに言ったよー。半分こって。だってその人神子じゃないもん、別の世界の何も関係無い人を助ける事は出来ないんだ。だから神子の生きてきた年数を半分こしてその人に入れたの♪これ出来るの精霊の中でも上位の方なだけなんだよー凄いでしょ」
ドヤって文字が見えるほどリリィが腰に手をあててふんぞり返ってる。うん可愛い。違くて、リリィの言ってる事から考えると私と祐介は今10歳位なのだろう。小学生の時に160cmまで伸びてそのまま身長が止まってたから気づくのが遅くなってしまった。これは祐介の姿を見なかったらきっと気づくのはもっと遅かったんだろうなぁ。事故に遭った時に聞いた半分ことはこの意味だったのか…
「ねぇリリィ半分こしたって事は祐介も神子になったの?」
「ううん、それはないよー神子はリナだけだよー。その人は神子のおまけ?って事になるのかなぁ特にこの世界に害は無いから大丈夫だよー」
リリィと話してたら、葉っぱの山からカサカサと音がして
「リナうっさい…俺生きてる?無事?は??ここどこだ?」
「祐介!良かったぁ目が覚めたんだね!おはよう!怪我ない?どっかおかしいとことか無い?」
「声デケーから。なぁリナの隣に妖精的なものが見えてるんだけど、やべーな俺頭打ったみたいだわ」
「あ、祐介にもちゃんと見えてるんだね!良かった良かった。この子はリリィって言ってね…
私は祐介にリュシュレイに異世界転移した事、リリィの事、半分この事などを説明した
「ってな事だけど理解おーけー?」
「理解不能と言いたいけど、今の状況からして本当なんだろうな。まぁあと異世界転移だとかの空想話をリナがこんなにもスラスラ語るなんて無理だから信じるしかないだろう」
あ、何気に私ディスられた気がする。
「リリィさん命を助けて頂き、本当にありがとうございます」
祐介はリリィの方を向き深々と礼をした。
「別にいーよー。リリィはリナが望んだからそうしただけだし」
リリィは私の方をチラッと見てニッコリと笑ってそう答えた。何かちょっと恥ずかしい。
私も祐介も生きてる。リリィと言う可愛い子とも出会えた。さてこの後どうしよう…見たところ山の中っぽいし、どっか人里の方とか探せば良いのかな?んーリリィに聞いてみよう!困った時の精霊様だ!!
「ねぇリリィ私たちこの後どうすれば良いのかな?神子とか言われても、私何すれば良いか分からないし」
「あ!それなら大丈夫だよー。リナをこっちに運んだ時に精霊王様が、この国の王様に神子と神子の友人をこの世界にお招きしたって言っておいてくれたから♪ここで待ってればお迎えが来るよー。それまで暇だよね、リリィお野菜や果物とかだったら何とかなるよ!食べる?」
「あ、うんじゃあそのまま食べれそうなフルーツが良いな。ん?ちょっと待ってリリィさっき王様って言った?王様のお迎えが来るの?」
リリィは当たり前の様にそうだよーと言ってくる。困惑していた私に助け舟を出してくれたのは祐介だった。
「神子なら王様が迎えに来るのも納得だろ。精霊の力を増強してくれるなら自分の国に利益もあるだろうし、どっちにしろ迎えが来るのは有り難い事だからこのまま待とう。あ、リリィさん俺にも何か果物頂けませんか?」
それから王様の迎えとやらが来たのは三時間後だった。あとリリィがくれたフルーツはとっても美味しかった。
次からやっと王国へ行けます。説明回長くて申し訳ありません。