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バカ勇者(♀)とロリ巨乳魔王  作者: あめふる
ゲームをしよう!
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バトルロイヤル


 今日も、一日のお仕事を終え、家に帰ってくると、我は自室に直行した。それから、家着の簡単なシャツと、膝下までの丈の、ズボンに着替える。

 そして、ゲーム機のスイッチを押して、電源を入れた。

 起動したのは、ペユベージという、バトルロイヤル式のゲームだ。プレイヤーは、1人から10人までのPTを組み、とある島に仲間とランダムな位置に出現し、銃やナイフといった武器や、アイテムを拾って他のプレイヤーを倒しながら、最後まで生き残ったら勝ち、というゲームだ。今、中高生に大人気のゲームで、そのプレイヤー人口は、数十万人と言われている。実際、マッチングで待たされる事がないくらい、常に色々な人が遊んでいるゲームだ。

 先日の、リリの男疑惑のあの日に、ついでだから我も付き合ってゲームを選び、そして勇者と一緒に、このゲームを購入した。どうせなら、共に初めてのゲームをした方が、楽しいと思ったのだ。我も、前々からこのペユベージには興味があったので、丁度良かったぞ。リリが買ってくれたので、凄く嬉しかった。


「お、既に、勇者がログインしているな……ぬ」


 そう思った瞬間には、もう勇者にPTに誘われた。我も、即承認し、2人でPTを組むことになる。


『おかえり、アティ』

「うむ。今日は、どうするのだ?」


 マイクとヘッドフォンが一体化した、ヘッドセットマイクを介し、我と勇者は会話が可能となっている。

 これは、元々持っていた物なので、リリに買ってもらったわけではない。しかし、よくよく考えれば、前にリリに買ってもらった物な気がするな。


『今日も、二人でバトロワに出かけよう。私が、アティを命がけで守るよ。アティを傷つけようとする人は、全員死刑だ』

「期待しておるが……しかし勇者よ。ランクが異様に高くはないか……?」


 我が気になったのは、PTを組み、我が扮するキャラクターと、勇者が扮するキャラクターが一緒になった、ゲームの画面だ。

 ちなみに、迷彩服のお髭のおじさんが我で、着ぐるみを着た小柄な少女が、勇者が操るキャラクターだ。キャラメイクは、顔つきから身体の大きさまで、自在にいじる事ができるのだが、身体が大きい方が荷物をいっぱい持つ事ができ、身体が小さいと、持てる荷物が少ない。その代わり、動きが素早くなるなどの、メリットがある。

 なので、こだわる者は、キャラメイクから悩み、計算に計算を重ねて自分のスタイルに合うように、したりするのだ。

 話を戻すと、そんな勇者のキャラクター。キャラ名を、“くーちゃん”と言う。その名前の横には、必ずランクが表示されるようになっているのだが、そのランクが120を示している。まだ、買ってから数日しか経過していないのに、もう上級プレイヤークラスのランクになっているのだ。おかしく思うのも、当然であろう。

 ちなみに我のキャラクター名は、“まお”だ。ランクは、60である。コレでも、かなりやりこんでいる方だと思うのだが、今思えばいつログインしても勇者がいて、即PTに誘ってくるな。


『……?普通に、やってるだけだと思うけど』

「うーん……まぁ良い。我は、いつでもいいぞ。くっくっく。今日も、他のプレイヤーたちを皆殺しにしてやろう」

『うん』


 我が準備完了のボタンを押すと、ゲームが始まる。準備期間がややあってから、画面が切り替わると早速ゲーム開始である。今回のマップは、街だ。我と勇者のキャラクターは、とあるビルの屋上に降り立ち、そこからゲーム開始となった。


「お、勇者よ、アサルトライフルを手に入れたぞ!」


 しばらく、降り立ったビルの中を探索すると、我は序盤にしてはかなり良い銃を手にする事ができた。弾薬も拾えたので、序盤にしてはかなり物資が充実していると思う。


『……こっちは、ライフルと、ショットガンがあったよ。スコープも、手に入れた』


 手分けをしてビルの中を探っている勇者が、そう報告をしてきた。スコープは、遠くを見る事ができるアイテムで、銃に装着して使うと、遠くの敵を撃ち抜きやすくなる。こちらも、かなり良いアイテムである。


「おお。中々に、調子が良いではないか。この分なら──と、銃声だ」


 割と近い所から聞こえてきた銃声に、我は驚きつつ、とりあえず身を屈ませた。


『うん。撃たれてる訳ではないけど、他のプレイヤーが近そうだね』

「そうだな。ちと慎重に動くとしよう。弾薬や、回復アイテムは大丈夫か?」

『たっぷりあるよ。ここに、ヘルメットがあるけど、アティはいらない?』

「む。欲しい所だな。今いくから、ちと待っていてくれ」


 そう答え、立ち上がった瞬間であった。再び銃声が響き渡ると、今度は我が銃撃され、HPが大幅に削られる事になった。

 すぐに再び伏せたので、死なずに済んだが間一髪であったぞ。隠れた状態で、回復アイテムを使用して体力を回復させる事にする。


『アティ、大丈夫……!?』

「危なかったが、平気だ。それより、敵の位置は分かったか?」

『分からないけど、銃声の大きさ的に、さっきの銃声の人たちかも。もしかしたら、こっちに来るかもしれない。とりあえず、ヘルメットは諦めて、この場から離れよう』

「そうだな……」


 勇者の指示に従い、回復を終えた我は、伏せたままその場を後にする。そして、相手からは見えなくなった所で立ち上がり、攻撃されずに勇者と合流する事に成功したぞ。

 合流した我と勇者は、走ってその場を後にした。向かったのは、向かいのビルである。恐らくは、バレないように移動する事ができたと思う。そこで、物資の回収はそこそこにして、我らが元々いた建物の様子を伺う。


『……来た』

「こちらも、確認したぞ」


 少し待って見ていると、敵のプレイヤーが、先程まで我と勇者がいたビルに入っていく姿を、確認した。人数は、こちらと同じ、2人だ。このモードは2人プレイモードなので、全てのプレイヤーが2人のチームを組んでいる。バラけて行動する者もいるが、基本的に2人で行動するのが、当たり前だな。

 少し見ただけであるが、相手も中々に良い武器を取り揃えており、戦うのは危なそうである。


「いったん、引こう。相手は、我らがまだあそこにいると思っているからな。今のうちに距離を取り、物資を充実させようではないか」

『……』

「勇者?どうした?おーい」


 我は、幼女の勇者に向かい、伏せた状態で方向転換を繰り返し、変な動きをしながら呼びかけるが、反応がない。

 どうでもいいが、幼女なキャラの前で、変な動きをする我のおじさんキャラは、犯罪的な危うさを持っている。


『あいつらが、アティを傷つけた……!』

「勇者!?よせ、伏せていろ!見つかるであろう!」

『待ってて、アティ。私があいつらを倒して、私のアティを傷つけた報いを受けさせる!』

「勇者ああぁぁ!?」


 我の制止も聞かず、勇者は窓から飛び出して、敵が入っていたビルへと突入していった。勇者のキャラは、動きがとても素早い。なので、我のおじさんキャラが追いつける速度ではない。というか、ついてこうともしていないがな。だって、立ち上がってまた撃たれたら、嫌だ。

 勇者が飛び出して行って、少したってから銃声が鳴り響く。窓からそっと顔を出し、覗いてみるが、その姿を確認する事は出来ない。


『アティの、おっぱいは、私の物!アティの可愛らしい唇は、いつか私が奪う!アティのお尻も、アティの太ももも、アティのお腹も、アティの手も足も、誰にも傷つけさせないし、誰にも渡しはしない!アティは、私の愛する、この世でただ一人だけの、絶対神なんだからっ!』

「……」


 我は、ヘッドフォンから聞こえてくる勇者の雄たけびを、内心気持ち悪いなぁと思いながら、聞いている。


『フフフ。私のアティは、私が守るからね……』


 これまた気持ちの悪い台詞が、聞こえて来た。

 それから、銃声が2発響くと、右上の方で小さな文字で、勇者が敵を倒した事が表示される。どうやら、1人で敵を2人とも、倒してしまったようである。もしかしたら、運よく素人だったのかもしれん。しかし、勇者のHPは満タンを示している。相手がそうだったかは分からんが、素人が相手だったとしても、無傷で倒し切るのは、中々できんと思うぞ。

 それからも、勇者は我に銃を向けて来た敵プレイヤーを、容赦なく屠って行った。

 その様子を、何度か陰ながら覗き見る事が出来たのだが、勇者の腕前は、異常だ。出会い頭のヘッドショットに、長距離のヘッドショット。正確無比な、手りゅう弾投げ。我を守るために、我の周りをうろつきながら、常に敵を警戒し、敵が現れれば、やはり素早くヘッドショットを決める。

 結局このゲームは、我が2キルで、勇者が50キルという、異常な数値を残して、我と勇者のチームが勝者となったぞ。ちなみにゲームの参加者は、合計で100名だ。そう考えれば、プレイヤーの半分を屠った勇者の成績の異常さが、よく分かると思う。


『アティのおかげで、勝つ事ができたよ。やったね』

「いや……勇者よ。貴様、どれだけやりこんでいるのだ!?」


 あまりにも上手すぎる勇者に対して、我はその疑問を投げかけずにはいられなかった。


『普通だよ』

「これが普通だと言うなら、ゲームバランスが崩壊するぞ!?正直に言うのだ、勇者よ!どれだけやりこんでいるのだ!」

『落ち着いて、アティ。私は、そんなに、やっていないよ。それよりも、次のゲームに行こう。アティがいてくれれれば、私は無敵だよ』

「……」


 あくまでも普通だと言い張る勇者だが、そんな事は絶対にない。あの腕前は、もしかしたら上位ランカーすらも狙えるのではないかと思うほどである。

 ま、いっか。勇者は強いので、一緒に戦っていて、楽しい。だから我は、それからも勇者と共にゲームの世界に出かけ、勝利に勝利を重ね続けたぞ。

 気づけば夕飯の時間になっていて、呼んでも部屋から出てこない我を、ママが呼びに来て、怒られるまでやり続けました。


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