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バカ勇者(♀)とロリ巨乳魔王  作者: あめふる
魔界で暮らそう!
20/34

冷たい朝


 勇者と魔王が魔界で働く事になってから、数日が経った。あの日以来、2人には会いに行けていない。というのも、仕事が忙しくて、そんな暇がないからである。

 昨日は、幼稚園の慰問訪問でパワフルな子供たちと遊んで疲れ果て、その上で勉強もしなければいけなくて、大変であった。その前の日は、一日警察署長の任をこなし、その上で勉強。その前は、学校の日だったので登校し、学友たちと楽しい時間を過ごした。勉強は、疲れたぞ。


「ぐごー」


 という訳で、我は現在、眠っている。それはそれは、深い眠りである。

 今日は休日。仕事は休みなので、寝ていても怒られない。なので、前日は思いきりゲームにふけった。頑張ったので、RPGを1つクリアする事ができたぞ。

 更には、FPSゲームのオンライン対戦に熱中しすぎるあまり、疲れている事を忘れ、気づけば明け方であった。そこで限界を迎え、ようやく眠りにつき、後は目覚めるまで眠るだけである。


「──魔王様」

「んー……」


 夢の中でまで、リリが我を呼ぶ声が聞こえてくる。さすがに、疲れすぎであるな。


「魔王様……魔王様。起きてください」


 更には、身体を揺さぶられた上で、名前を呼ばれている気がする。が、我は起きない。夢ごときに起こされるような我ではないからな。


「仕方がありませんね。起きない魔王様がいけないんですよ」

「……ひぎゃあ!」


 我は、突然襲い掛かった感覚に、飛び起きた。勢いよく上半身を起き上がらせ、必死に胸を揺らすぞ。

 

「んくうぅ……!」


 必死に揺らした甲斐があって、胸の谷間を通り抜けた冷たい物が、我のお腹をつたい、布団の上にポトリと落ちた。

 見ると、それは氷であった。氷が我の胸の中に入れられて、我はあまりの冷たさに、飛び起きたのである。胸の熱で、少し溶けて我の身体と布団を濡らしてしまっている。

 我は、着ているパジャマの上の方と下の方のボタンを、寝ぼけながら外す癖があるようで、今日も外れていた。結果、胸の谷間を大きく露出しながら、おヘソを出すと言うスタイルになっている。


「……」

「おはようございます、魔王様」


 ベッドの上に座り、呆然と胸から落ちた氷を眺めていると、リリがベッドの脇に立ち、挨拶をしてきた。

 我は、周囲を見渡す。

 我が乗っているのは、ピンク色の布団の敷かれた、ベッドだ。ベッドは窓のある壁に置かれていて、太陽の光が当たりやすいようになっている。フローリングの上には、丸型の黄色い絨毯が敷かれていて、その上には絨毯より小さな、丸型の机が置かれている。机には座椅子も置かれていて、そこが我にとっての寛ぎスペースである。座椅子の向かう先にある、小さなめのテレビには、最新のゲーム機が繋がれていて、コントローラー等と一緒に床に置きっぱなしである。壁のフックには、学校の制服やカバンに、普段よく着る服も掛けられていて、自分で言うのもなんだが、女の子らしい部屋である。他にも、勉強机が置かれたり、本棚が置かれていたりと、見慣れた物がたくさんだ。それらが置かれた結果、中々に手狭な部屋となっている。

 そこは、間違いなく我の部屋である。だから、リリがいるのは、おかしいという結論に、ようやくたどり着いた。


「……にゃにをしておる」

「起こしにきました」

「きょうはぁ……休みであろう……がぁ……ぐぅ」


 目をこすりながら、目を閉じて我は眠りにつこうとする。と、再び胸に、冷たい感触が走った。


「ひゃん!?」


 氷だ。再び、胸の中に氷が突っ込まれたのだ。我は胸をゆすって氷をベッドの上に落とすと、そうしてきたリリに対して、非難の目を向けた。


「何をするのだ!?冷たいだろう!?心臓が止まったら、どうするのだ!?」

「せっかく起きたのに、また眠ろうとするからです」

「だから、何故起こす!?我は今日、休みだぞ!」

「……」


 そう訴えると、リリは悲しそうに、我から目を背けてしまった。

 よく見ると、リリは私服姿である。デニムパンツに、肩を露出した黒のトップス姿で、ちょっとエロい。しかしこのギャル系な服装が、リリの服の傾向であり、似合ってはいるが、露出は減らしてほしいと、常々思うぞ。


「約束、したのに……」

「へ?」

「今日、お買い物に付き合ってくれると、約束をしました。楽しみにしていたのですが……でも、眠いのなら、仕方ありませんね」


 リリはそう言うと、立ち上がり、我に背を向けてしまった。そしてそのまま、部屋を去ろうとする。


「す、すまぬ!わ、忘れていた……というか、そんな約束したか……?いや、うん!したな!だから、悲しそうな顔をするな!」


 我は、そんなリリの背中に抱き着いて、慌てて止めたぞ。それにより、歩みを止めたリリは、振り返り、我の方を見てくる。

 またリリが行ってしまわぬよう、服の裾を握っておくぞ。それにより、服が若干伸びて、肩の露出が増して更にエロくなるが、構わぬ。


「冗談です」

「……じょう、だん?」

「はい。約束はしましたが、魔王様の返事が曖昧だったので、こうなると思っていました。だからあえて、前日の打ち合わせもしないで、黙っておいたのです」

「なぁんだぁ……」


 リリに嫌われかと思って、ひやひやしたぞ。我は服の裾を離し、安堵の息を吐く。


「ふあ……」


 安心したら、眠くなってきたぞ。我はうとうとしながらベッドに戻り、布団の中に潜り込もうとする。


「どうしてそれで、眠ろうとするんですか。私との約束を、反故にするおつもりですか」


 四つん這いになり、布団に潜り込もうとした我のズボンを、リリが掴んできた。それにより、それ以上布団の中には進めなくなる。進んだら、我は尻丸出しになってしまう。


「や、やめろぉ!我のズボンを引っ張るな!パンツが見えてしまうではないか!」

「もうパンツどころではありません。お尻が丸出しです」

「だったら尚更引っ張るな!離せ、離さぬか!お願いだから、離してくれ!我の尻など見ても、面白くもなんともないぞ!ぎゃー、分かった、話し合おう!とりあえず、布団から出るから、止めてくれ!」


 必死に訴えると、リリはようやく、ズボンから手を離してくれた。その際に、ズボンもパンツも脱げて、全てが丸出しになってしまった訳だが、まぁリリに見られただけなので、構わぬ。

 脱げたパンツもズボンも、履くのが面倒なので、その辺に放っておいて、我は床に座り込んだ。


「魔王様。本日は、お買い物に出かけましょう。二番街の、ショッピングモールへです」

「えー……」


 あそこって、魔界中から魔族が集まるから、いつも混んでて嫌なのだ。大勢の魔族を見るのは、魔王軍の集会と、学校の朝礼だけで充分である。自分から、わざわざそんな混みあう場所に赴く必要はない。今は、スマホやPCさえあれば、自宅にいながら何でも買えて、家から出る必要はないのだ。

 それに、我は今日、睡眠不足状態にある。この一週間の疲れと、昨夜のゲーム三昧による徹夜明け状態の我にとって、出かけるのはハードルが高すぎるというものである。


「嫌なら、仕方ありませんね。せっかく、魔族VS宇宙人の、初回限定版の予約もしようと思っていたのに……またにしましょうか。しかし、今日予約できないとなると、もう無理かもしれませんね。でも、仕方ありませんよね」

「……何をしている、リリ。支度して、行くぞ」


 我は立ち上がり、クローゼットを開く。そして、外出用の服を取り出すと、パジャマを脱ぎ捨てた。元々下はすっぽんぽんだったので、しっかり下着を履いてから、服を着たぞ。


「その前に、少し髪を整えましょう。それから、歯磨きをして、朝食をしっかりとり、トイレに行って、ラティ様に出かける許可を得てから、行きますよ」

「わ、分かっている。だから、急ごうと言っているのだ!」

「はいはい」


 我はリリの背を押し、のろのろと歩くリリを急かして、部屋を後にする。本当は眠くて出かけたくないが、リリの誘いを断る理由にはならん。


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