終わりへ……
「これより本戦8回戦を初めます!赤コーナールウト!」
ルウトは下を向きながら会場へと入る。
「青コーナー美鈴!」
美鈴は深呼吸をして入場する。
「では初め!」
試合が開始されたがルウトは動かない。
「どうしたの?動かないなら私からーー。」
「ごめんね。遊んでる時間は無くなった。」
顔を上げたルウトの目は酷く真剣で殺意が篭っていた。
「だからどんなに無様でも……心折れないでね。」
ルウトはそれだけ言うと一瞬で美鈴までの距離を詰め、右拳を振りかぶる。
「はっ!」
その拳を切り裂けるように短刀をその軌道上に合わせる。
「ーーーーえ?」
その予想した拳は瞬時に軌道を変え腹へと突き刺さる。
辛うじて意識が飛ばずに踏ん張れたが追撃が来ると頭では分かっていても動けない。
「終わり。」
そして再びその拳がヒットする瞬間に後ろへと飛ぶ。
拳は空を切ったがその回転を利用して蹴りが飛んでくる。
それも辛うじて体を半身にする事で正中線を守る。
「っ!」
だが腕には当たってしまい骨が折れる音がする。
「今度こそ終わりだね。」
上から降り注ぐ拳を見つめ、動けない美鈴はこれまでルウトと戦った人がどうして外傷がほとんど無かったのかを悟った。
「あーー。」
そして鎖骨ら辺へと振り落とした拳はその衝撃が心臓を通過し、骨が軋む音がする。
そして次の瞬間心臓が破裂し美鈴は瞬殺された。
「再度謝るよ。ボクにもやらなきゃらないない事が出来んだ。」
ルウトはそれだけ言うとすぐさま会場から去っていった。
「ルウト選手が棄権致しましたので勝者ミズキ!」
ルウトはその後試合へと出ることは無かった。
「失望したな。」
ミズキはそれだけ言うと会場から出ていく。
レフェリーが呼び止めるがそれ以上にルウトへと腹が立った。
「やぁ、1位おめでとう。それでルウトがどうしてあんな事をしたのか気になるかい?」
廊下を歩いていると暗い見えない所から声がかけられる。
「ん?アンタだれだ?」
苛立っている瑞希は言葉遣いが汚くなっていたがそれを気にする余裕も無かった。
「瑠羽斗君は俺に着いてくると言っていたよ。君……いや、貴方も着いてきてくれると嬉しいんだが。」
「は?なんでアンタと。」
「ほら、瑠羽斗君。」
後ろからルウトが出てくる。
「ボクも着いてきて欲しいね。多分ボクと瑞希は同じ目標なハズだから。」
「ほら、瑠羽斗君も言ってるし。着いてきたら?」
「………。」
瑞希は無言で剣を構えるとその剣を男が手で抑える。
「なっ!」
この男は確実に『認識外』からの移動を……!!
「ね?来なよ。」
瑞希は剣をしまい、少し頷くと男とルウトに着いて行った。
それ以来瑞希と瑠羽斗、そして男を見たものはいなかった。




