本戦前……
「とりあえず2人とも本戦出場おめでとう!」
夏樹は今日の予選を2人とも通過出来るとは思っていなかった。
これで2人は晴れて〈ランカー〉確実となる。
「ううん、私は運が良かった。ダニエルさんだったらと思うと……。」
確かに芽衣は運が良かったのだろう。
ダニエルの様な絶対強者と対峙せずに本戦へと上がれたのは運の要素が大きかった。
「私に比べて美鈴は実力だよ。凄かったもん。」
「いや……私も5チームだったらと思うと……震えてくるよ。」
「「「………。」」」
あのルウトと名乗る少年は別格だった。
アレに叶うのはそれこそ1位、ユーリさん、ダニエルさんぐらいしかこの世界には存在しないのでは無いかと思う。
しかもあの少年の名前……。
「アレで……スキルを使ってないんだよ?」
確かにスキルを使っていた形跡が無かった。
それ故に……職業の判定が出来なかったのだ。
「あ!お兄さん!少し前はどうも!」
そんな話をしていると背後から声がかかり恐る恐る振り向く。
そこにはルウトが立っていた。
「ん?お兄さんどうしました?そんな不思議な顔して。」
ルウトは首を傾げ、何かに気がつく。
「ああ!おお二人共本戦出場おめでとうございます!また本戦で戦える事を願ってますね!」
ルウトはスキップをして行ってしまった。
「………それはそうとこの後、本戦のトーナメント表を見に行くんだろ?向かいながら考えようか。」
夏樹は椅子から立ち上がると他3人も立ち上がる。
「出来ればあの少年とは最後に当たるといいな。」
夏樹はボソッと呟くが誰もそれを聞くとこは無かった。




