《トーナメント》予選2回戦
「では予選2回戦目を開始致します!」
目の前には20人ほどの人間がいる。
その中にはユーリさんとリゼットがいるのだ。
芽衣はそんな人混みの中どうやって本戦まで行くかを考えていた。
私のスキルは基本的に範囲魔法と状態異常を治すぐらいしか取り柄がない。
だが……今回の予選にはリゼットさんという大多数の人間を一瞬で戦闘不能に出来る魔法使いがいる。
ユーリさんを倒すのはかなり難しいだろうがリゼットさんなら……僅かな勝機はある!
「では!初め!」
遂に予選が開始されるとそこらでは魔法とスキルが飛び交う。
「早くリゼットさんを見つけなければ……。」
ユーリさんはあくまでも1体1に特化している…が、リゼットさんはそうでも無いはずだ。
「いた。」
リゼットさんは会場の少し離れた場所から《クエイク》を放っていた。
芽衣はリゼットさんの死角になる様に移動しつつ他の選手への牽制をする。
「っ!」
芽衣の背後から剣を振られるが事前に知っていた芽衣はそれを避けると同時に《ジャッジメント》を放つ。
「ぐっ!」
見事当たった《ジャッジメント》はその効果で相手を麻痺にする。
ここぞとばかりに他の選手が芽衣を襲った選手を袋叩きにしていた。
「芽衣上手く立ち回ってるな。」
「あぁ、でもあの作戦だとユーリの気分次第な気がするけどな。」
「間違いないな。」
夏樹と樂は会場を上から見て分析していた。
ユーリは会場の真ん中で向かってくる選手を一刀のもとに切り捨てていた。
芽衣はユーリのその調子を見てほくそ笑んでいた。
リゼットの身からしたらユーリという存在は1番警戒するべき人物だ。
近寄られたらなすすべなくやられてしまう。
だから目が離せないのだ。
「ふぅ……あと少し!」
リゼットはユーリに注意しながら選手を無作為に倒していた。
「あとは……ユーリを巻き込んで……。」
リゼットはその特性上魔法を使われる又はスキルを使った時に人間から出る気配のような物に敏感であった。
だからユーリがスキルを使っていないことは知っていたし、それならばリゼットの《クエイク》で倒せると踏んだのだ。
「……《クエイーー」
リゼットに衝撃が走った。
一瞬自分が立っているか、倒れているかすら分からなかった。
一瞬のウチに『何らかの攻撃を受けた』と理解が出来たがそれが何なのかわからない。
更なる追撃が頭へ直撃し意識を失った。
「やるなぁ……樂、芽衣を敵にはしないでおこうな。怖いから。」
「同感だ。俺でも抵抗あるぞアレは。」
リゼットの意識を奪ったのは他でもない芽衣だったのだが……その方法が怖かった。
初めにリゼットを中心としてユーリと反対側とは少し外れた場所に居たのだ。
決して『居ること自体を認識させてはならない』との思いで。
そして背後から近寄り杖で思いっきり頭を殴り倒した……というのが経緯なのだが……人間そこまでヒトというものに対して力加減せずに殴るというのは出来ないものだ。
例えそれが死んでも生き返ると知っていても……だ。
そして残りをユーリが一瞬で片をつけ、本戦へと芽衣は歩を進めたのだった。




