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職業

いきなり異世界?に飛ばされた私たち4人はまず情報収集から始めることにした。


「佐藤さん、そっちはどうだった?」


私に声をかけたのは武本さんだ。


「この世界のことはある程度分かりました。が、どの行動をするにもお金が無いです。」


情報収集で分かったことは4人で共有する。


今回分かったことはここは本当に異世界である事。

迷宮塔と呼ばれる〈バベルの塔〉がある事。

そして、〈バベルの塔〉がお金稼ぎ、特に私たちの様な素性が知れないものでも稼げるという事。

しかし〈バベルの塔〉には魔物が棲み付いていてそれを倒しながら探索しなければならない。が、その倒す武器を稼ぐお金が無いという事。

そしてギルドと呼ばれる組織に加入し、パーティーを組まなければならないという事が分かった。


「取り敢えずどうやってお金を稼ぐかだが……商店の売り子などを地道にするしか方法が無さそうだった。」


強面の近藤さんが1番堅実な方法を模索してくれていた。


「ああ、それしか無いだろう……しかし、武器を買うまで働くとなるとかなりの時間がかかる。」


ギルドは無料で登録が出来るのでそこは心配しなくてもいい。

しかし、ちらっと武器屋を眺めたがボロっちい武器でもそれ相応の値段がしていた。


「それなんだけどね。どうやらギルドの掲示板に頼み事?みたいな依頼があるらしいの。それを受ければそれなりのお金が稼げるって聞いたよ?」


文乃さんがどうやらいい情報を聞き出してくれたみたいだ。


「そうか。まずギルドに加入しないとどうにもならないな……よし、ギルドに加入し、依頼を受けよう。」


武本さんが方針を出す。

それに皆が了承する。


いつの間にか武本さんがリーダーとなった様だった。


「あ、言い忘れてたけど、苗字で呼ぶと心の距離が少し縮まるのが遅いって話をどっかで聞いたから名前で呼ぼ?ね?」


文乃さんがわざと明るくそう言う。


「ええ、そうね。私もその方が良いと思うわ。」


私達は顔を見合わせて頷くとギルドへ向かって歩き出した。



俺たちがギルドへ着き、中へ入るとギルド内は閑散としていた。

時間は太陽の位置から恐らく正午、皆〈バベルの塔〉へ行ったのだろう。


「ようこそギルドへ、見ない顔ですね?」


受付へ行き、加入したい旨を伝える。


「ああ、そういう事でしたら職業も決めなくてはならないですね?この本に職業の事が詳しく書かれているのでこちらを読んでからまた受付へ来てください。」


受付の人はぺこりと頭を下げると業務へ戻った。


「職業ね。RPGなんかによくあるアレよね?」


「ああ、多分そうだろう。」


本をぴらっと開くと8種類の職業とステータスという概念について書かれていた。


本の内容を簡単に整理するとこんな感じだ。


職業は全部で8つ。

アサシン、スナイパー、パラディン、グラディエーター、プリースト、ミンストレル、ハイウィザード、ソーサラー。


そしてそれぞれの職業には特徴がある。

アサシン、スナイパーは物理攻撃力が高い。

パラディン、グラディエーターは防御力が高い。

プリーストは回復魔法。

ハイウィザード、ソーサラーは魔法攻撃力が高い。

そしてミンストレルは歌うだけ…。


ステータスの項目は全部で5つ。

STRは攻撃力。

AGIは素早さ、回避能力。

VITは頑丈さ、体力の上昇。

INTは魔法攻撃力。

DEXは器用さ、命中率。


そして面倒な事に職業別でステータス補正がかかるらしい。

例えばスナイパーならSTRに補正が、パラディンならVITに補正がかかる。


だが、ここで問題がある。

俺が気になるのは2つの職業。

パラディンとミンストレルだ。


パラディンの双璧を成すであろうグラディエーターはVITだけでは無く、STRにも補正が入るのにパラディンはVITだけしか補正が入らない。


ミンストレルに至っては補正無しと来た。


この2つの職業は明らかにこの世界のシステムに冷遇されすぎている。


これは普通ありえないのだと俺の脳内は判断していた。


「皆、俺の言うことを聞いてくれ。この職業は……。」


話し終えた俺達はギルドの受付へまた戻っていった。

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