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ボス

ボスの前までは死者を1人も出さずに行軍出来ていた。

一重にダニエルの裁量がいいのかも知れない。


「ここがボス部屋かぁ……初めてだから緊張するね。」


芽衣が珍しく緊張しているようだった。

常に飄々としている芽衣だがその実臆病でもある。

それで無ければステータスをサポートへ……言い換えれば『生存率が1番高そうな』ステータスにするわけがなかった。


「大丈夫だろ。あの1位かなりヤバそうだし……ダニエルさんとかユーリさんがいるんだ。攻撃力は足りてる……後は俺たちが前に出すぎなければ良いだけだ。」


「うん……分かった。全力でサポートする。」


どうやらまだ緊張はしている様だが完全に解く必要は無いだろう。


「ではこれからボスへ挑戦する!死なないようにだけしとけ!」


ダニエルが激高を飛ばすと団員達が声を上げる。


「ホントにユーリさんているだけなんだな。」


ダニエルの隣で涼しい顔しているユーリを見て夏樹は苦笑する。


「開けるぞ!」


ダニエルは重苦しい扉を開ける。


これからのボス戦は正直俺は……恐ろしかった。

何が一番恐ろしかったか…それは1位の存在だった。



「では攻撃開始!」


ボスは一見するとカマキリの姿に硬そうな装甲を身にまとっている。


「俺たちも行くぞ!いつも通り樂が前、俺が真ん中で芽衣が後方だ!美鈴は攻撃!」


「「「了解!」」」


「《名月の歌》《夜霧の歌》」


「《プロボーグ》《プロテクション》《騎士の聖域》」


「《アクセラレーション》」


各々がバフスキルをかけ、攻撃に移る。


「芽衣は魔法攻撃と状態異常解除だけ頼む!」


「わかった!」


カマキリの攻撃が樂へと直撃するが樂は1歩も引かない。


「《バックスタブ》!」


美鈴はカマキリの後方へ回り込みスキルを打つが流石ボスとも言うべき硬さを誇っていた。


「ダメね、全く効いてない。」


「ちょっとどいて?」


美鈴は驚いて後ろを見ると真っ黒なマントを被った1位が立っていた。

この時美鈴の生存本能が……悲鳴をあげた気がした。


「ーーーー。ーーー。」


ボソボソと何かを言っていると1位の体をバフの光が纏う。


徐にカマキリへと手を当てるとカマキリが吹き飛ぶ。

追撃する様に飛んでいるカマキリを追いかけ今度はキッチリと足を殴るとカマキリの硬い装甲など関係なく足がちぎれる。


1位はバックステップで下がると後ろからダニエルの矢が飛んでくる。


「《マルチアロー》」


一度に2本矢を放つスキルがダニエルの攻撃力によってバケモノへと変貌する。

なすすべなくカマキリの尻尾部分へと当たり消し飛ばす。


「……《強撃》」


ユーリはそれだけ言うと力いっぱい胴体へと攻撃を加えるとまるで豆腐の様に滑らかにカマキリの胴体が真っ二つに分断された。


「これがランカーの力……かぁ。」


夏樹達の力とランカーの力……その格差を主知らされたボス討伐戦だった。

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