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イベント

この世界に置けるランカーの役割は一重に他冒険者へのストッパーである。

どうしようも無い、犯罪を犯す冒険者を冒険者が殺す。

そうしてこの世界の秩序は成り立ち、運営されているのだ。


だが、ランカーが犯罪を犯したらどうなるのか?

その対処法は王様の頭の中にあるが、それが実際に行使された記録はない。

或いはもう始末されたランカーが存在し、それを隠しているだけかもしれないが……。



《トーナメント》は実際には名ばかりの大会である。

出場者は10つのグループに振り分けられ、そこでバトルロワイヤル方式、いわゆる乱戦をして勝ち残った1名が本線へと出場出来る。

そこでやっとトーナメント方式となる。


冒険者はこのランカーを目指して腕を磨くのだが、ランカーになる方法はこれだけでは無い。


もし、ランカーがぽっと出の冒険者に倒されたらどうなるか?


その例外が現在の1位であった。



「ランカーのってのはどんな何だろうな?」


「さぁねー?私はそれよりも夏樹がランカーに興味を持ったことに対しておどろいているんだけど?」


「ん?妙だな美鈴。俺はただランカー、つまりはトップの実力を測りたいだけなんだよ。」


「へー……。それならさ、このイベントに行かない?」


「なんだこれ?」


渡された紙には集団演習の文字がデカデカと書かれている。


「この集団演習にランカーの1人が来るって噂よ?」


「ふーん……。」


何を集団演習するのか分からないがひと目でも見ておきたいのが本心だ。


「じゃあ参加するか?報酬も悪くないからな。」


どうやら集団演習に参加すると報酬が貰えるらしい。


「おっけー。ちなみに集団演習ではゴブリンが大量発生したから狩るって噂。」


美鈴は手をフリフリして夏樹の元を離れる。

察するに樂と芽衣に参加する旨を伝えに行ったのだろう。


「何位が参加するのかねぇ。ふむ。」


「お?兄ちゃん、これに参加するのか?」


酔っ払ったおじさんに絡まれる。


「ええ、どうやらランカーが出るらしく。ひと目見ておきたかったもので。」


「あぁ、参加するな。9位のリゼットだな。」


「え、知ってるんですか?」


「勿論だ。まぁ参加するってのは消去法によるものではあるけどな。目的がゴブリンの殲滅ならあの人だろうからな。」


「へー……。殲滅って事は職は……。」


「《ハイウィザード》だな。」


「やっぱり。」


おじさんは1つ頷く。


「大会で見ていたがあれは……そうだな、対個人の魔法じゃぁない。それでも9位ってんだから凄いけどな。」


「確かに……。おじさん、いい情報ありがとうございます。これで飲んで下さい。」


夏樹は銀貨を3枚机に置くと席を立つ。


「おお!ありがとな!」


おじさんはニカッと笑うと酒を飲む。


酒屋を出ると時間が遅いからか潰れている冒険者が道端に倒れている。

こんなのはいつもの事だから気にしないが、その中で一つだけ気になる事がどうしても夏樹にはあった。


「すみません、ここだと危ないですよ?」


「んー……、ぎもぢわるい………。おえっ。」


かなり酔っ払っている女性を発見したのだ。

この世界に犯罪がどの程度あるのか分からないが危険な事は危険だろう。


「大丈夫ですか?宿までお連れしますよ?」


「ありがとぅ……。宿あっち……。」


夏樹は肩を貸して女性が指さした方へ歩く。

女性はかなり特徴的で特に髪が紫色だったのだ。

この世界に来てから初めて見る髪色だったので目に止まった、という訳だ。


女性に肩を貸して歩くこと10分程。

1つの宿に着いて中へ入る。


「すみません、ここの宿を借りている人だと思うんですけど……酔い潰れて道端へ転がっていた所を保護しました。」


女将さんらしき人へ女性を引き渡しながら事の経緯を説明する。


「あら、ありがとうね。まったくこんなになるまで飲んで……。後は任せてちょうだい。ここまでありがとう。」


「いえ。」


夏樹は一礼すると宿から出ていく。


「今日は色々あったなぁ……帰ろ。」


夏樹は宿へ着くとゆっくりと眠った。

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