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妄葬式

作者: 花園倉

とっていただきありがとうございます!


仕事しながら考えた一品です。どこにでもありそうな話ですが最後まで読んでいただければ幸いです!

 僕はよく妄想する。学校にいる嫌な奴の顔を思い浮かべて妄想の葬式している。

 そうすると、次の日に本当に嫌な奴が学校に来なくなり、その次の日には葬式が行われる。まさに僕の妄葬式が実現へと変わっていく。こんなにも滑稽なことはない。僕が妄葬式をすれば、どんな嫌な奴だろうが、ムカつく相手だろうとあの世に送れるのだから。


「さーって、今度は誰の葬式を妄想しようかな?」


 誰を妄想してもピンッとこなかった。


「案外、嫌な奴はいないものだなー」


 妄葬式はまだ一回しか成功させてなからいまいちリアリティに欠けている。でも誰かの葬式を妄想もしてみたい。そう思い、休み時間に校内をウロウロしようと考えた。罪悪感?そんなものはイジメられて、もうなくなっていた。休み時間になり、校内を歩き回った。


「みんな平和そうだなー」


 最初に妄葬式をした、いじめっ子以外だれも思いつかなかった。校内を歩いていたら急に背中からトントンっと肩を叩かれた。なんだろうと振り向いたら、同じクラスの藤原さんが大量の荷物を持ってこっちを見ていた。そして…


「暇なら荷物運ぶの手伝って!」と言われた。


 僕には、そんなことをしている暇がないので丁寧に断った。だが…


「暇なのわかってるから早く持って!」と、半強制的に荷物持ちを手伝うことになってしまった。藤原さんは小学校からの知り合いで、小学校の時から何かしら手伝いを強要してくる人だった。僕に何の恨みがあるのか知らないが迷惑な人だ。


 荷物を教室に持っていったら「ありがとうねー」の一言で終わってしまった。

 貴重な休み時間を逃し、強制的に手伝わされたあげくに「ありがとうねー」の一言…。

 僕は藤原さんの妄葬式をしようと考えた。動機は十分だった。


 イメージが湧いてきた。藤原の遺影が…のはずだったが急に僕の顔になってしまった。

「違う!そうじゃない!!僕の妄葬式をしてどうする!!!」妄想が止まらなかった。

 妄葬式は、完全に僕の遺影の映像で終わっていた。何故、このような結果になったのかわからなかった。僕は考えた。これは妄想であって、実現するなんてことはないと…。


 今はそう願うばかりだった。学校の授業が終わり、帰宅しようと校門をでた。すると目の前を藤原さんが歩いていた。もう一回、藤原さんの妄葬式をしようと考えた。イメージをはっきりさせるために藤原さんを凝視をしイメージを高めた。。と藤原さんを見ていたら、前からトラックが走ってきた。そのトラックはどんどん藤原さんの方に向かい、激突するコースはいっていた。


 そして僕は藤原さんに「あぶない!」と、叫んで藤原さんを道路脇に押した。

 それがいけなかった。藤原さんを押したら僕がひかれるのは明白だった。なんでこんなことをしたのか、自分にはわからなかった。トラックはだんだん近ずいてきて、僕をはねた。そう、妄葬式が実現する瞬間だった。僕ははねられ、意識を失った。こんな結果になってしまったのは全部、藤原さんのせいだ。そう思いながら眠った。


 僕は夢を見た。自分の葬式の夢を…。親は泣いていて、僕の遺体置き場には藤原さんが立っていた。藤原さんは言った。「なんで、私なんかを助けたの?意味わかんないよ!!!」

 藤原さんは僕の体にふせて泣いた。僕なんかのために泣いてくれるなんて、凄く悪い気分になった。こんな僕のために泣いてくれる藤原さんを死なせようとした自分が、情けく思った。僕は死んだんだ。これからどこに行くのだろうか。僕にはわからなかった。


 ピーッピーッっと言う音で、僕は目が覚めた。周りには親と藤原さんが眠っていた。僕はわかった。妄葬式はもう終わったんだなと。痛い腕を動かして、藤原さんの頭を撫でた。それに気づいたのか、藤原さんはゆっくり目を覚ました。藤原さんは起きて早々、ナースコールを押した。どうやら、奇跡的な生還だったらしい。親と藤原さんは泣いて喜んでいた。


 僕はこの出来事から学んだことは、もう妄葬式はこりごりだってことだった。

読んでいただきありがとうございます!


書き終わって思ったことですが、完全にインキャ物ですね(^_^;)


感想・評価いただければ嬉しいです!

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― 新着の感想 ―
[一言] いいお話でした。小説を書くなり、よむなり自体が陰キャぽい気もします。そうすると私も陰キャだなあw。
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