ー後書き
ー後書き
8話プラスエピローグで、短目でしたが読んで下さって有難うごさいました!。設定的には、長沼一家を守る為に、2部は総動員体制でCIAを抑えていました。横山しか出て来ないのはその為です。その部分を入れなかったのは、メインの長沼一家の話が、おそらく8話程度の白根の死闘で脇の話になってしまうからです。それでは本来の目的から外れてしまうと考えました。
長沼ユウには特別な能力を持たせなかったので、クライムズのように展開させると体が保たないと言う事で、だいたい1日で終わるストーリーにしました。
直には特別な能力を持たせました。単に直を登場させたかったと云う、作者の個人的理由です。小谷師範だけでも良かったのですが、結果的には親娘の会話が入って、作者的には楽しませてもらいました。
子犬の選定をするために、ペットショップに行きましたが、パピヨンとチワワしか居なくて、仕方なくーわが家の愛犬カタログーなる雑誌で選定しました。かなり乱暴に扱われるので、タフである事が必要でした。また、厳つくないのも条件としました。それらの条件で、ウェルシュ コーギー ペンブロークを選びました。ただし、重いと云うのは判らなくて、読者さんの情報に助けて頂きました。冒頭の鳥居さんが処分しようとした子犬は、犬種を特定していません。読者さんが好きな犬種にして下さい。主人公に感情移入しやすくなるように、考えました。
例のごとくですが、ナノマーク犬と云うのは、作者が本作品の為に考えたフィクションです。特定の人間だけが発病する殺人ウイルス兵器については、これもフィクションです。現実にこういったウイルスがあるかどうかについては、作者にも不明です。あっても不思議ではない感じはしますが…。
合気道についてですが、小谷師範が洪少平に対して突きや蹴りを入れるシーンがあります。しかし、実際の合気道の教則本には、突きや蹴りは有りません。腕を捌いて、手の関節をキメて、投げて固める…と云うのが合気道です。しかし、短刀取りと言った凄い基本技が有り、むしろ技のレベルが上がれば、一番現実に使える武道かもしれません。合気道の目的も闘争ではないと云う事です。本作の合気道は小谷流合気道と云う事で、正統とは離れたものとお考え下さい。
これは主人公が犬を救おうとする話です。しかし、救い切れないと云う部分で苦しむ姿を描きました。命と云う問題に対する時には、救い切れないと云う現実から逃れられません。それに対する作者なりの考えを作中で、登場人物を通して描いてみました。
読者さんそれぞれが、それぞれの考え方で、答えを見つける問題提起になれば幸いです。
現実に、処分されそうになっている犬を、救い続けているボランティアの方々がいらっしゃいます。この物語のように、簡単な状況では有りません。もし、そう言った現実が、どうなっているかを知りたいと思われた方は、ー犬の処分ーと言うキーワードでネット検索してみて下さい。特定のサイトを作者が紹介するより、多くを知る事が出来ると思います。作者は、正に恐怖しました。
1話に登場する鳥居さんは、特定のモデルを持たない事を、改めて表記しておきます。また、岐阜保健所は岐阜市保健所とは無関係です。その内部、職員の言動も作者によるフィクションであり、現実の保健所の見解ではない事を、ご了承下さい。
主題は、人間の都合と命の重さでした。
命の重さは変わらないと誰もが思っています。しかし、都合は命の重さを変えるのです。
歴史は私達に、こう言います。黙っていても、命が尊重された時代はない。命の重さが尊重されるのは、大切な人の命が道端に捨てられないように、人々が努力した時だけだと。
最後に、この主題と動機を与えて下さった、秋さんに感謝します。秋さんがメッセージを送って下さらなければ、この作品は存在しませんでした。
では。ここまで読んで下さった読者さん。有難うごさいました!。また中止になるといけないので、次作の予告はしませんが、スポーツノンフィクション風、スポーツフィクション?を予定してます。また、よろしければ武上 渓にお付き合い下さい!。
2008年9月13日
武上 渓




