2/101
―2―僕の正体
ふと、崖の頂上を見るとドラゴンが見えた。
何やら暴れている様子。
フラフラと近づくと……
さっきの人間ともう二人が、ドラゴンと対峙していた。
暫く観戦していたらドラゴンが倒されちゃった。
人間達の勝利だ!
でもこの人達、僕の事見えないみたいなんだよね。
あ、なんだろう?
ドラゴンからとても魅力的な何かが……。
あの人間に感じたそれと一緒だと僕は気が付いた。
大きな大きな『光の玉』が浮き出てくる。
僕はそれに飛び込んだ! いや、それを全て吸収した!
わかる! うん。思い出した! 僕はレイスだ!
そして、あの『光の玉』は、魂だ!
うん。全て思い出したよ!
僕はこの世界に転生したんだ!
でも、人間でも魔物でもなくて……。
魂を食らうレイスになちゃったんだ!
僕は、魂を食らうのを拒んだ。だから、どんどん衰退していった。
そうしたら記憶も曖昧になって……。
なーんだ。こういう方法があったんだね。
これからは、おこぼれを頂いちゃおう!
死んでしまった者の魂だもん。問題ないよね?
自分の手は汚さずに、魂を手に入れる方法を僕は見つけた――。