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―1―光の玉
僕は気が付いたらフワフワ浮いて移動していた。
何となくわかる。もう少ししたら自分は消滅するんだって……。
でも、どうしていいかわからない。
目の前を歩く三人の人影が見える。
地面は固い岩で、ゴツゴツして歩き辛そう。
まあ、僕には関係ない。
というかよく見ると、四つん這いになって進んでいた。いや、登っていた。
ここ崖なんだ……。
その一人が崖を滑り落ちる。
二人が何かを叫んでいるが、僕には何を叫んでいるか理解出来なかった。
不思議な事に、落ちた人間から『光る玉』が見えた。
美味しそう――何故か僕はそう思った。
吸い寄せられた僕は、光の玉を手にする。いや、僕の体に吸い込まれた!
少し力が漲って来る。
そうか、僕に必要なのは、この『光の玉』だ!