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アメリカ在住、40代のガン闘病生活。  作者: 黄色い万年筆
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第8話 セカンドオピニオン:CTCAオリエンテーション(三日目)

3日目も朝6時半のシャトルに乗って病院へ。

これだけ早いとホテルのレストランも準備が出来ていませんので、

病院のカフェテリアが早く開いているのが助かります。


この日は始まりが8時過ぎでしたので、

カフェテリアで食事をしてから指定されたクリニックへと向かいます。

カフェテリアの朝食には病院食(お粥、スープ、各種プロテイン飲料、等)もありますが、

他は色々な野菜やトッピングが楽しめるサラダバー、

鉄板で焼いて貰うハンバーガーやオムレツがあり、

お昼と夜にはメインディッシュとして

ミートローフや肉野菜炒め、パスタ、ピザ等色々なメニューが用意されています。

そのほかにもマフィンやパン、パイ、各種アイスクリームもあって、

目移りしてしまって大変でした。

唯一残念だったのはケーキですかね。

まあ、アメリカにおいしいケーキはあまりないので、

仕方ないのです。


この日の一件目は医療腫瘍学の先生。

ここでやっと送られてきた生検の結果を説明して貰いました。


この病院の病理でサンプルを再検査したところ、

腫瘍の筋肉に向けての浸食が始まっているとのこと。

ほんの数ミリの話ですが、

ガンのステージとしてはステージ0が上皮内にとどまっている状態、

ステージ1が筋肉の層まで広がっている状態ですので、

ステージ0の見立てのはずが限りなくステージ1に近くなっていることになります。


幸いまだ筋肉には到達していないとのことで、

筋肉を切ることはないだろうと言っていただきました。

しかし、当初の見立てよりも広範囲で舌を切ることになるので、

昨日話し合った再建手術は正しい判断であろうと教えてくれました。


そして次は昨日とはまた違う自然療法士と、栄養士の方と続けて面談。

どうやら三大治療法(手術、放射線、抗ガン剤)それぞれの部署に

自然療法士と栄養士の方が所属していて、

その時の治療に合ったアドバイスをしてくれるシステムのようです。

話の内容は似通っていたのですが、

今回は手術が前提の話しで、

前後に飲んでおくべきサプリメントの話でした。

術前に飲むことによって、痛みが軽減されたり、

術後の回復に影響が出るとのことです。

さらに昨日聞けなかった質問ができたりして、良かったです。


その後は牧師さんとの面談。

私はキリスト教徒ではないのであまり関係はないのですが、

こちらにお世話になる方も多いとのこと。とても気さくな方で、

「教会は静かだからね、宗教のことを気にせず落ち着きたかったらいつでも寄ってよ。」とおっしゃっていただきました。


さらに保険関係の担当者との面談。

実は現在は少し変わったのですが、

オリエンテーションの時点では手術や入院に関しては

私の保険がほぼ100%カバーしてくれるとのことで、

特に緊張感もなく終了。


ここでやっとお昼。

予定では15分しか時間がなかったのですが、

保険の話が短かったので時間が取れて助かりました。


午後一番は昨日予約を入れて貰った整形外科との面談。

舌の再建手術の説明と、再建にどこの皮膚を使うのかについての相談でした。

腕の皮を使う方が皮膚が薄くて良いらしいのですが、

傷が目立つところに出来ますし、

術後しばらくは腕が使えないと言うことで、

足から取って貰うことにしました。

太っていたら足からは取れないとのことでしたが(私は中肉中背)、

私の足をみてこれならどうにかなるでしょうと行って貰いました。


そして次はカイロプラクティックス。

長年コンピュータの画面をにらめ続けたせいで

首を痛めてしまっていた私は

この年は毎週のようにカイロプラクティックスに通っていたのです。

(しかしカイロプラクティックスに行くまでの痛みになったのは

2016年になってからなので、

今になって思えばなにかしらの影響が出ていたのかもしれませんね。)


手術後の影響が気になっていたので、話を聞くことにしたのですが、

先生自身も鼻に出来た腫瘍の摘出で手術を受けた経験があるので、

術後に首や肩が痛くなる可能性があるという事や

対処法を細かく教えてくれて助かりました。

施術もしてくれたのですが、

私のかかっていた先生より上手で、嬉しいやら残念やら。


その後はサバイバーシップサポート。

こちらは家族へのサポートがメインです。

癌という病気は患者一人だけではなく、

その家族に大きな影響を与えるものなのです。

最近よく聞くQOL(Quality of life、生活の質)も変わってきますし、

闘病生活で家族との関係性も変わってきます。

こちらはそのような変化に対して病院からのサポートをすると言うものです。

どれほど利用するかは分かりませんが、

誰かが話を聞いてくれる、と言うだけで嬉しいものです。


そして最後はオリエンテーションの総括と今後の相談を担当の看護師さんと話し合い、

長いオリエンテーションが終わったのでした。

その日はもう遅かったので、次の日に飛行機に乗って帰宅しました。


とにかくその規模とサポート体制にびっくりした三日間でした。

病院の建物も増築を繰り返している影響で

一部迷路のようになっていて、今も工事が続いている以外は

どこも清潔感あふれていて、とても好感が持てました。


しかし、遠いのですよね。

飛行機に乗る時間は1時間半ほどなのですが、

空港への出入りや車に乗る時間を考えると、

病院に着くまでに半日かかります。

今回の手術だけなら良いのですけど、

もし時間のかかる治療が必要になった時はこの距離が問題になるかもしれません。


次は比較的近いところにある大学病院でセコンドオピニオンを聞きます。

オリエンテーションの前日にやっと連絡が入り、

オリエンテーションの次の週に先生と会えることになりました。

やはり距離が近いと安心ですから、こちらにも期待です。


元々悪性腫瘍であるという結果に疑問は抱いていなかったのですが、

CTCAで生検を再び検査してもらって結果が変わらなかったこともあり、

この時点でセカンドオピニオンで聞くことは

腫瘍の有無ではなく、それに対する対策の意見である、

と言う認識に変わっていました。


CTCAにおける話はとりあえずこれで一段落。

次は大学病院です。

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