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アメリカ在住、40代のガン闘病生活。  作者: 黄色い万年筆
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第7話 セカンドオピニオン:CTCAオリエンテーション(二日目)

二日目は朝6時半のシャトルに乗り、病院を目指します。


まず始めの予約は自然療法医の先生。

と言っても代替医療のお勧めではなく、

あくまでも標準治療(ガンの場合は手術、放射線、抗ガン剤)の手助けをするというのが目標だそうです。

抗ガンの効能があると言われているサプリメントや、

手術をするに当たって痛みを緩和するサプリなどを教えていただきました。


二人目は栄養士。

ガンの原因になりやすかったり、

逆に抗ガン性があると言われている食物の説明や、

手術をするに当たって回復に必要なサプリや

術前術後の食事について教えてくれます。


三カ所目は身体測定。

身長体重だけではなく、体脂肪率なども測定されます。

あまりにも平均値から離れていると注意を促されるそうです。

私は平均値内に入っていましたが、

筋肉の割合がちょっと低いと指摘を受けました。

今年は運動をしていなかったので、ごもっとも。


四カ所目はCTスキャン。

その結果を基に後に執刀医と話し合いをするのです。


五カ所目は体と心のバランスを整える手助けをしてくれるという部署の方からの説明。

病院内で行われている様々な活動を教えてくれます。

イメージ療法や、笑い療法、料理教室、睡眠の手助け、気功法など

多岐に渡るクラスが毎週のように行われているのです。

このクラスは患者と付き添いの人たちに解放されているので、

嫁さんは料理教室に興味があるようでした。


ここでやっと昼食。もう頭の中は情報過多状態です。

幸いどの部署でも資料を渡してくれるので助かります。


午後に入り本命の執刀医との面会です。

いかにも外科医、と言った感じのきりっとした女性の執刀医と、

彼女のサポートチームの先生達、

また、昨日会えなかった担当の看護師さんとも話し合いを行いました。


ここで驚愕の事実が。

地元のクリニックの担当医が

ぎりぎりまで生検のサンプルを手放さなかったとのこと。

最悪もう一度生検を取り直さなくてはいけなかったそうです。

しかし届いたのが今日だったため、

結果は明日知らせてくれることになりました。


そしてこのチーム。本当に私の話をよく聞いてくれました。

ガンのことだけではなくで、

気さくに色々な話を振ってくれて、

ガンの状態だけではなく、

私に見合った対策を出そうとしてくれます。


私が職業柄講義を行わなくてはいけないと言うことを知ると、

手術を単純な切開と縫合ではなく、

整形外科医を加えた舌の再建手術にしようと提案してくれました。


比較的簡単な切開とはいえ、

数センチに渡って舌の皮膚を切り取るので、

縫合をしただけだと舌の形が変わってしまい、

会話に支障が出るのだそうです。

再建手術を行うと回復にこそ時間がかかるものの、

体の他の部分から皮膚を移植するので、

舌の動きが制限されにくくなるとのこと。


さらに触診の感じだと、

もしかしたら筋肉の近くまで進んでいるかもしれないし、

そうでなくても腫瘍の部位だけではなく、

その周りも取り除くので、

再建手術なしで縫合を行うために

中途半端に切って再発しても困るし、

前もって再建手術をするという前提で

準備を進めていったほうが良いだろうとなりました。


そして話がまとまると、

すぐに予定には入っていなかった整形外科医への面会の予約を入れてくれたのです。


変な話ですが、ここでガンの宣告を受けてから

初めて医者から人として扱われたような気になりました。

とても丁寧な説明をしてくれて、

患者に合わせて術後の心配までしてくれるのです。

当たり前のことなのかもしれませんが、

少なくとも地元のクリニックではきちんとした説明はおろか、

心配されることも全くありませんでしたから。


さらに驚かされたのは

この病院の専門医同士の横の繋がりです。

常にチームとして一緒に活動をしているので、

情報のやりとりがとても円滑で、

先生の時間さえ有ればすぐに手配をしてくれる柔軟さ。

患者からすれば当たり前というか、

そうでなければ困るという話ですけど、

どんどん話が進んでいく様に圧倒されました。


手術の話はさらに続きます。

この先生曰く、経験上舌癌はリンパに移る可能性が高いとのこと。

患部に近い首回りにリンパ節がたくさんあるのがその理由で、

そのリスクを減らす為、

また、CTスキャンなどでは分からない転移を確認するため、

腫瘍のできた右側のリンパ節をいくつか取って生検にかけるのだそうです。

首に大きな傷が出来てしまいますが、

今後のリスクを減らす為にも必要だとのことです。


うーん、ちゃちゃっと少し舌を切っておしまい、

と言う感じの話ではなくなってきましたよ。

急に事が大きくなってしまって、正直びっくりしました。

こんなの聞いていないよ−、と心のなかで焦ります。


気になる手術の予定ですが、

年末でクリスマス休暇が入っているので、

先生が集まらない事、

そして数週間では病状も進まないだろうということで、

一月の第一週になりました。


軽くショックを受けたまま面談は終了。

次は針治療の先生です。

こちらは痛みの軽減などに利用される方が多いとのことです。

が、手術の話で頭がいっぱいで、

正直この面談のことはほとんど覚えていないです。


この日最後は担当の看護師さんとの面談と手術に必要な書類の説明とサイン。

どうやら先週電話で話した方は担当ではなくなった模様で、

年輩の方と若い方が年配の方からの引継を含めて二人で担当してくれるとのこと。

ここでは雑談を入れながらリラックスした状態で話を進めることができました。


これで内容の濃かった二日目は終了です。


そしてこの時点では、

まだこちらでお世話になるとは言っていませんでした。

むしろ面談の際に「まだ決めていません」と

こちらから説明を入れていたので、

執刀医も私が遠方から来ていることも理解してくれて、

私が地元近くの病院で手術を受ける決断をすることもあり得る前提で話をしてくれています。


この日も次の日も、

どの部署の方と話をしても押しつけがましいことを言われたことはありませんでした。

余裕なのか、自信なのか。

でもお陰でプレッシャーを感じること無く

先生方の話を聞くことが出来たのです。


三日目も朝が早いので、この日は早めに就寝です。

明日も忙しいぞ。


仕事でお客さんが日本から来ていて、一週間何も出来ませんでした。

もう少し頻繁に更新したいとは思っているのですけど、

週に1,2回更新できれば良いのかもしれません。


そして、宣告されてから一年が過ぎました。

ものすごく忙しくて、内容の濃い一年でした。

昨日買い出しに出るまで、

もうすぐクリスマスだということすら忘れていましたよ。

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