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アメリカ在住、40代のガン闘病生活。  作者: 黄色い万年筆
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第6話 セカンドオピニオン:CTCAオリエンテーション(一日目)

いよいよ12月13日。シカゴに行く日となりました。

予定では4泊3日ですが、

看護師さん曰く病状が軽かったり、

先生の予定が急に開いたりして、

すぐに手術になることもあるという事で、

一応7日間の用意をしていきます。


自宅から最寄りの空港までは自分の車ですが、

その後は飛行機、シカゴの空港から病院までのシャトル代、

移動費はすべて保険でまかなってもらえます。これは凄い。


シカゴの空港に着くと、

病院からきたシャトルバスの運転手から電話とショートメールが入ります。

荷物の受け取り口の近くで待っているとのこと。

ラテン系の気さくな運転手さんが待っていてくれました。

この方は普通のジャケットを着ていましたが、

病院からのシャトルバスはいかにも運転手さんといった制服を着ている方が多くて好感が持てます。


シカゴ、と言っても実際にはシカゴからミシガン湖沿いに一時間ほど離れた町に病院はあります。

人口数万人の小さな町で、

病院以外の産業は特に見当たりません。

有る物と言えば稼働していない原子力発電所と、州立公園くらいです。

町といっても目抜き通りは活気がある感じではなく

町自体は綺麗に保たれているのですが、

ちょっと寂れた印象を受けます。


今回はオリエンテーションと言うこともあって、

病院のホテルではなく、

車で30分ほど離れた違う町のホテルでした。

そこから30分おきに病院に行くシャトルバスがでているとのことです。

ホテルの近くにはショッピングモールがあって、

そちらで遊ぶこともできます。

今回は嫁さんと3歳の子供を連れていたので、

モールが近くにあるのは便利でした。


ホテルには夜に着き、

翌朝シャトルバスに乗って病院に向かいます。

周りは雪模様で、

もっとど田舎かと思ったら結構住宅地があります。

ここからシカゴまで通う人もいるのかな、

なんて思いながらバスに揺られます。


病院に着くと高い天井のある大きなロビーで受付をすませ、

コートを預けた後、家族全員入館バッチを貰います。

ロビーには清潔感が漂っており、

受付やドアマンの方々もとても気さくです。


冬のシカゴ周辺はとても寒いのですが、

病院の中はとても暖かく、助かります。

なんで病院って薄ら寒いところが多いのでしょうかね。


その後大きな水槽に熱帯魚が泳ぐ患者用の受付に呼ばれ、

受付料金を払い、今回の予定表と資料が入ったバインダーを貰い、

さらに私はバーコードのついたリストバンドをつけて貰います。

このバーコードが身分の確認に使われるのです。


同じ日にオリエンテーションに参加されていた方々が3組ほどいましたが、

病院に入ってからは全くの別行動でした。

お互いに違う癌にかかっているわけですから、当然か。

私は目があったときに挨拶した程度でしたが、

嫁さんはフロリダから来たというド派手なおばさんと

お喋りをしていました。

我々を含め、もう一組は家族連れでしたが、

その人は一人でしたので、心細そうでした。


そして次は二階に向かい、担当の看護師さんと会います。

この病院のシステムでは一人の患者さんに対し、

様々な専門医が付いてくださるのですが、

彼らと患者さんをつなげる役目の看護師さんがいるのです。

質問などが有ればその看護師さんに告げることで、

適切な部署に話をしてくれるようになっています。


私の場合は事前に電話で話し合った担当の看護師さんに急用が入ったとのことで、

どたばたしてしまったのか、一時間以上待たされた後、

同僚だという看護師さんが説明をしに来てくれました。


待っている間嫁さんは出張できていたマッサージセラピーの方に

背中をマッサージして貰っていました。

私の番になったところで名前を呼ばれて、残念。


ちなみに今回のオリエンテーションで、

数十分以上待たされたのはこの場所だけでした。

その他のアポイントメントは大して待つこと無く

先生なり看護師さんと話すことが出来たのです。


その後は予定が入っておらず、病院でランチを食べていると、

(カフェテリアについてはまたそのうち書きます)

再びフロリダのおばさんと出会いました。

どうやら明日生検をするそうです。

明るい感じだったけれど、

おそらく私の時と一緒で、

生検がどういうものか実感できていないのかなあ。


その夜は夕食を食べにショッピングモールへ繰り出しました。

もともと学会と帰国の準備に追われていて、

この二週間家族と過ごす時間もなかったですし、

子供も半日病院を連れ回されてストレスがたまっていたでしょうし、

私自身も久しぶりのショッピングモールで

良い気分転換になりました。


というわけで、初日はお医者さんに会うこともなく、

ちょっと拍子抜けでした。


しかし、それで良かったのだと今になっては思います。

私は遠くから来ているので前乗りしましたが、

近郊の方は車で来たりするので、

移動時間を考えると初日は半日くらいしか時間が取れないでしょうし、

増改築を重ねた大きな病院に慣れるためにも時間がかかります。


さらに心配する事なかれ、

予定表には残り2日、

朝7時半から夕方4時過ぎまで、

びっしりと予定が書き込まれていたのです。


仕事が忙しくて、なかなか時間が取れません。とほほ。

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