第14話 気管カニューレと尿道カテーテル
気管カニューレ
舌の手術、さらに首も開いてリンパ節も取ったので、
気道の確保のために気管カニューレを取り付けられました。
これは喉仏の下に穴を開け、
そこからプラスティック(シリコン?)の管を気道に差し込み、
その管を通して呼吸をするというものです。
これによって舌や喉が腫れても、
呼吸は妨げられることがなくなります。
初日は保険の意味も込めて酸素吸入器がついていたのですが、
二日目になってそれを取り外すことに。
幸い首の腫れもひどくならなかったので、
呼吸に問題はありませんでした。
しかし、気管カニューレがついていることによって、
呼吸器が刺激されるので、痰がたくさん出るのです。
でも、自分では痰を吐き出せない。
残念なことにはじめの数日に来てくださった呼吸器系の看護師さんたちは
気管カニューレについてしっかりと説明をしてくれなかったので、
この痰と咳の処理が本当に大変でした。
酸素吸入器がついているときは気にならなかったのですが、
自分で呼吸をするようになってからは
気管カニューレに痰が絡まってしまって、
呼吸が難しくなり、
そのたびに看護師さんを呼ぶ羽目になってしまったのです。
どうも私は分泌が盛んらしくて、
一時間おきに機械を使って痰を吸い出してもらうことに。
吸引器に取り付けられたゴムのチューブを気管カニューレの穴に入れて、
痰を吸い出すのですが、
ものすごくむせるし、決して楽しい作業でもありません。
二日目の夜から三日目まで苦しみ続けました。
吸引の際の苦しさもありましたが、
看護師さんの手を煩わせることに対する申し訳無さが心苦しかったです。
三日目に何人かの看護師さんの話を組み合わせて、
自発的に咳をして痰を出来る限り出し、
更に綿棒を使って掃除する、
と言う方法を導き出すことが出来たので、
その夜からは数時間おきの吸引でどうにかなりましたが、
腫れがそれほどでもなく、
呼吸が困難でなかったこともあって、
早く取って欲しいと願いながらの毎日でした。
気管カニューレは手術の時に使っていたものから、
初日に少し簡易なものに、
そして四日目に二重管構造になっているものにと、
徐々に替わっていきました。
この二重管構造になっているものは
内側の管が取り外せるので洗浄が楽で、
更にカニューレの通気口をふさぐことによって、
発声も出来るようになりますので、
コミュニケーションが取りやすくなるという意味では良かったです。
この時点ではまだそれなりに舌も腫れていますし、
舌の保護のためのサポーターがついているので、
大した言葉は言えないのですけど、
声が出せる、というだけで嬉しい。
しかし、新しい気管カニューレに変えるということは、
気道に刺激があるということで、
着けるときには毎回肺から空気がなくなるほどむせてしまったので、
正直あまりいい思い出ではありません。
これには1つトリックがありまして、
気管カニューレを取り換えたりするときには
呼吸を吐きながら行うと刺激が少ないのです。
でも残念ながらこのトリックを知ったのは4日目の夜でした。
そしてむせると言えば、
シャワーを浴びる際に気管カニューレが濡れないように
必ず保護しなくてはいけないのです。
肺に水が入ってしまったら困るので、当然ですよね。
二重管構造になっているものは蓋ができますので、
あまり神経質にならなくても良いのですが、
気管カニューレを留めてある首輪が
水に濡れたり乾いたりすると伸縮してしまうのか、
カニューレから入らなくても、
その脇から水が入ってしまうことがあります。
退院後シャワーを浴びている最中に、
二度ほど気管カニューレがずれてしまい、
水が気管に入ってしまって、
血が出るほど咳き込んでしまいました。
本当にきつかった。
気管カニューレは術後三週目に行われた
第一回検診まで取れなかったのですが、
この三週間毎日苦しめられました。
どの角度を向いていてもカニューレが気管を刺激する感じで、
一時間おきに咳き込んでしまうのです。
先生が言うには私の気管が細い上に手術後痩せてしまったこともあって、
気管内にクッションが無いような感じになってしまったとのこと。
気管カニューレが取れたあとも気管内の傷は残っていた模様で、
3−4日間は乾いた咳をし続ける事になりました。
尿管カテーテル
尿管カテーテルは取るときも痛いのですねえ。
二日目の午後に抜き取ってもらったのですが、
引っこ抜かれるときは思わず「うっ」と声が漏れてしまうくらいでした。
そして抜いてからもおしっこが出るまでが大変です。
まだたくさんの管がついていますし、
足元もおぼつかないということで、
トイレに連れて行ってもらうことも難しく、
数時間膀胱がパンパンになっているのを感じながらも
なかなか出すことが出来ずに、苦しみました。
三時間近く試行錯誤して、
結構苦しくなって、
またカテーテルを入れるかななんて話が出た頃に、
男の看護師さんが呼び出され、
彼の強いお勧めでトイレに連れて行ってもらったら、
あっという間に出ました。
やっぱり環境って大切なんだなとつくづく思いました。
そして同性の意見も大切!
時差ボケで眠いので、
本来なら仕事のレポートを書かなくてはいけないのですが、
全く頭が回りません。
どうせコンピューターに向かっているならと、
連続更新です。
そう言えば今回の検診では特に問題は見つかりませんでした。
と言っても向こうの手違いで、
触診と視診以外のテストの予定が入っていなくて、
無理やり血液検査を入れてもらいました。
本当はCTもしてもらいたかったのですけど、
保険の関係なんでしょうね、
以前よりも気軽にできなくなってしまったようです。