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勇者か聖女か、どっちでもいいんで任せた

 「お姉様」

 「なぁに翔太君」

 「ちょヤメロ!スイマセンやめてください、前世の名前は」

 妹?は2歳になりわたしは10歳に、上下関係はバッチシである。

 とある有名ゲームのレベルアップした時の曲を口ずさむ。

 「懐かしい。お姉様はゲームをしてたん?」

 「いいえ、そんなガチゲームとかしたことない。軽いゲームだけ」

 乙女ゲーだがなニヤリ。

 今わたしは妹を鍛えていた。

 なにしろこの世界のスキル発動の条件は厳しくて、高ステータスになったらオーケーとはいかないという難易度。ステータスのバランスが揃った時に発動しないと身につけることができないのだ。

 更にスキルは生まれ持つ以外得る方法はないうえに、自分のステータスなんて確認する方法もないという凶悪度。

 現実にスキルなんてあったら凄過ぎるから、これ位でいいんかもしれんとは思う。

 そのせいでスキルが不発なままって人も多いし、それどころか自分にスキルがあるなんて知らないままってのが普通なんよね。

 もっとも貴族にはスキル発動方法が集められているから発動している人が多い、がやはり難易度は高い。

 おと…妹もそうだった、神様からスキルを多く頂いているのに発動の仕方がわからないのだ。なにこの無理無茶なギフト。

 逆にわたしはこの世界のデータを得ているので、スキルの発動の仕方を知っている。

 なので絶対服従を条件に、家庭教師をやっている。

 「それにしても聖剣術とか光の魔法とか…中二病」

 「うああああ、いいじゃん。異世界転生なら勇者目指すだろフツー」

 「ついてないから聖女になるんじゃない?」

 「ついてないとか言うな!せめて女勇者と言ってくれ」

 翔太は勇者になりたくて、転生体に妹を選んだらしい。

 最初は女体転生を選んだ翔太にドン引きしたんだよね。思春期特有のエロか拗らせか、はたまた変態かそのテの人かと思って蔑んでたんだけど、どうも本気で勇者になりたかったみたい。

 今も舌っ足らずだしヨタヨタ歩きだけど、どうにか会話は可能になったので知り得たんだけどさ。

 おかげで翔太の気持ちがわかってからは冷たい視線から生暖かい視線に切り替えて相手をしている。

 それでもお母様やメイドさんに邪な動きを少しでも見せようなら精神的にイビリぬいてきたよ、調教しなきゃだよね。

 おっと脱線?それはともかく翔太の神様はわたしの女神様とは別で、その神様が言うには妹しか勇者になる素養がないと言ったらしい。

 でもそこは色々知るわたしには疑問だったりする。

 なにしろわたしがシャルになる前までに、勇者的スキルを手に入れた転生者が王族とかアチコチに生まれているからだ。

 どうしてそんなことを?よくわかんないので、翔太には夢と希望を失わない方がいいかなと、まだ話してない。

 それとわたしの持つこの世界のデータとステータスというか好感度を見る能力も誤魔化してアヤフヤに話してる。

 だって下手に広まるとロクな目に合いそうにないからね、揉め事なんかパスパス。

 それにこの世界のパワーバランスはまだそこまで悪くはない、身近に戦争もない。

 例え将来的に何かあったとしてもわたしの他に30人も異世界からの住人がいる、そのうちの1人は妹だし、わたしなんかいなくても十分よね。

 念の為に妹を鍛えて身代わりに戦ってもらおうと保険もかけている、本人も勇者になりたいんだから了承済みだ。ウインウインですよ?

 ズルイ?ズルくないよ!目指すものが違うんだもの。

 わたしはシャルを幸せな人生で終わらせたいのだ。

 だから普通に平和に暮らすわ、戦いは任せた。

 そもそも戦闘ステータスよりも薔薇姫を目指してるんでいらないです。

 というか貴族の娘の義務って最高の結婚相手に選ばれることなんだよなぁ。

 自分で言っといてなんだけどあんま考えられんな、前世では家同士の結婚とか否定したし。

 かといって恋愛はよくわからんよ、前世通して清い体のままだし…危ないシーン多かったけど。

 とりあえず貴族らしく恋愛なんかよりも家のためにで、できれば愛情深い夫婦を目指したいとは考えておこうかな。

 それに前世でもお見合いとかで上手く行く話も聞いてきたし、恋愛結婚しても一生愛が続くとかわからないし?

 …でも普通の公爵令嬢だったら既に婚約者がいてもおかしくない年齢なんだよね。

 幼少期に行方不明だったからってので敬遠されてるのかなぁ、わたしってばいらない子?

 奴隷期間があったとしても血統も美貌も教養も作法もバッチリなのに!?ついでに両親や周囲の好感度も天井知らずに上げたんだよ。

 もしや女神様が言ってた乙女ゲーうんぬんという呪いか?ハーレムなんぞいらん知らん不要。 

 なんてね。きっとお父様にお考えがおありなのでしょう、たぶん。ついでに女神様冗談だよごめんね。


わたし(シャルロット)の主なステータス。

年齢10歳。身長140位。

女神様から頂いた能力(以下ギフト)

 世界の知識。この世界のあらゆる情報、ただし2年前までのものまで更新はない。

 好感度チェッカー。という名の自分他人のステータスを見る能力。

 アホ毛。女神様が施したまま未だに効果が消えない3倍再生と肉体補助、オンオフはシャルのみ可能。

各種ステータス(通常の人類平均3、最高10とした場合)

 剣術4

 槍術6

 体術5 (↑前世から引き継ぐ技術による優位性)

 体力2 (ガリガリからは脱出、胸はないまだな)

 魔力8

 魔法。光6炎5

 聖剣術3

  

補足。

 奴隷時代は魔力の高さで人材として人気があった、特に光魔法による治癒が使えるので待遇は良かった。

 この世界での魔法は呪文により各種属性魔法を3まで使える。

 属性持ちだと詠唱省略や効果大消費少等、4以降にあたる高レベル魔法の使用。

 

ついで妹。

 ジャンヌ(翔太)

 年齢2。最近まともに走れるようになったくらい。

 ステータスほとんど1

 魔力5

 魔法。光3炎2

 聖剣術1

 好感度8

補足。

 なにしろ魔法関係くらいしかまだ鍛えられないからねぇ。

 前世持ちはわたししか会ったことないからアテにされまくり。

 ちなみに聖剣術の発動条件はスキルさえ持っていれば簡単だった。


 投稿前にいきなり聖剣術発動エピソードを書いてみる。

 ジャンヌが1歳半になり一通り動けるようになった頃、ちなみに喋りはまだ微妙。

 わたしはジャンヌにナイフを見せた。

 イキナリのことにビビられる。

 この頃まだジャンヌはわたしのコトを怪しんでた、なにしろお互い素性や思惑がわからないから。

 こっちとしてはせっかくの姉妹関係だし前世持ち同士仲良くしたかったんだよね単純に。

 だからその手段として発動方法の知られていない聖剣術を教えたら、一気に信用されるかなーと。

 それにそもそもステータスを見れるわたしには優位性あったし、赤ちゃんなんて弱過ぎるから怖くもなんともない…今思えば姉からの妹への強引な愛情だったかも?

 ドン引きする赤ちゃんとナイフをちらつかせる幼女。

 スゴイ絵面だ。

 「聖剣術を発動させてみたくない?」

 「…たぁい」

 「それにはこのナイフが必要なのです」

 「…なーでー?」

 「わたしをこの世界に送り出した女神様から色々聞いてるから」

 ちょっと嘘の説明。

 ジャンヌは迷ってるというか怪しんでる感じ。

 しょうがないのでわたし自身が聖剣術に覚醒してみることにした。

 「とぉ!」

 ナイフを自分の太ももに刺す。

 いったぁい。

 すぐさま治癒。

 というか治癒と突き刺すを交互に行う。

 ジャンヌが更なるドン引きをしているが、痛みでそれどころじゃない。

 ザスザスと刺してたら、ようやくナイフが金色に輝きだした。

 目を見張るジャンヌ。

 どや、ねぇちゃんがんばったで。

 「聖剣術の発動はこうするの」

 わたし超涙目、血みどろ。

 「ジャンヌもしてみる?わたしに刺していいよ」

 フルフルと首を振るジャンヌ、後ずさりはじめた。

 「いーやーー」

 逃げた。

 血みどろ幼女はナイフを逆手に、赤ちゃんを追いかける。

 「なんで?せっかく聖剣術覚醒できるのに」

 「あー!きゃーあー!」

 ジタバタする様が愛らしい。楽しくなってきて追いかけた。

 思えばこの時わたしの精神は幼女だったかもしれない、後に反省はした。

 おかげで上下関係がついたんかな?結果オーライで。


お読みくださりありがとうございます

ブックマークしてくださった方ありがとうございます、図々しいコト書いてごめんね。

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