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赤ちゃんプレイしなくてよかった2

 自我の同化もしくは肉体の限界。

 シャルロットになった当初から感じ続け、遂には乗り越えたこと。

 どういうことかというとね、わたしという自我はシャルロットの肉体に入った時から消え始めたんだよね。

 翔太の場合も似たようなもので、自我が肉体年齢という制限のせいで、本来の思考力を失いヘタすると人格までもが無く成りうる可能性があったと思う。

 このまま消えるのも悪くない、なにしろこの世界の両親と正しい愛情ある間柄になる方が自然だもん。

 でも翔太に泣きつかれた。『なんのために転生したのかわからない!』『第一オレはまだ死にたくなんかなかったんだ!』って叫ばれた。

 自我が消えるということは前世のわたし達の緩やかな死を意味する、忘れて消えちゃうんだからね。

 わたしはよくても翔太まで巻込むのは気が引けた。  

 それに何故こんなことが起こるのかを考えた時、神様達の『世界創造の実験』とは何?って疑問に突き当たった。

 やっぱりキチンと話を聞いとけばよかったかなぁという気持ちになるけどしょうがない。

 わたしはともかく翔太が異世界に適当に放り込まれた的な扱いに疑問が生まれる。

 なにしろスキルの発動の仕方を知らないんだもん、しかも前世を忘れそうになるとかどんなバグやん?

 ただ異世界者を送り込みたかった?それとも転生や憑依者としての自覚があるなしに意味なんてないとか?それと転移者との違いは?

 神様達の実験の意図がわからなかった、どんなコトが起こるのか不明だし。

 あと神に特別な目的を依頼された者が紛れ込んでいるとしたら、何かが起こりうる?

 もっともわたしを送り込んだ女神様ってば、やる気なかったわけだけど…今思えばソレも真実かどうか疑わしい?キリがねー。

 というか今頃アニメやゲームを楽しんでるんだろうなぁと妬ましいくらいだな。いつか又繋がんないかな?連載の続きとか教えてもらえないだろうか?

 それはともかく!

 このまま流されるがままに自我を忘れてはいけない気がした。いつかわたしはこの世界に一大マンガ文化を作るんだ!嘘…とは言い切り難い。

 じゃなくて〜もしこの世界で必要なことがあるのなら、使命を果たすことも考えなければならない、かなぁ?

 でも特に言われてないってことは、自由に生きてもいいんだろうとは思う。今のところは。

 それとわたしはシャルロットのことを忘れたくないんだ。このまま自我が消えて、何食わぬ顔で自分がシャルロットなのだと図々しく生きるのは嫌だった。

 神に抗う、いや神というより世界の摂理に抗うというべきか?

 だからこの世界には異分子である前世の自我を持ち続ける。

 

 となるとどうやって自我や思考を保つのか?

 妹である翔太の存在は大きかった。2人で前世の世界の話をするのは効果的だった。

 自分を忘れない、自分という存在は確かに居たのだという証拠が目の前の姉であり妹だった。

 わたし達はお互いが消えないように、あらゆる会話をした。

 前世での記憶、学校生活は勿論アニメやゲームの話も。

 乙女ゲーマーだったのは内緒にしてたから、主に翔太から異世界転生系の話やゲームにおけるスキルや魔法の話を聞いていたんだけどさ。

 おかげでスキル発動がどうやって起こるのか?主にどんな数値で発動するのか参考になった。

 本来この世界にステータス及びそれに数値なんかない、そのため従来はスキル発動も大まかな訓練と条件を整えて発動させていたらしい。

 そのためスキルを持つ連中は流派を作り、弟子達を鍛えスキルを発動させていたのだ。無論口伝や家伝もあるけどさ。

 というかスキル自体生まれ持ってないとダメとか、偶然発動させることでしか得ることができないとか…何度も繰り返しちゃうけど難易度と偶然性高過ぎ!鬼設定だ。

 そもそも神様達は与えたスキルを発動させる気はあったのだろうか?それも疑問。

 話が逸れた。

 それはともかく自我を保つ方法の確立はそう難しくなかった。

 前世と現世で共通の想いがある言葉を唱えることだ。

 わたしの場合シャルロットの最期の言葉でもある『助けて』。

 …実は似たような状況でわたしも発したことのある言葉だった。

 ソレを口に出した時の怒りがグラグラグラ〜…前世でいつも強く変わろうとする起爆剤にもなったいた。

 今もあの時を思うと、強くなりたいと気合が入る。

 ちょっと昔話をするかな。


 前世で高校に上がった時の話だ。

 その日わたしは本家にお呼ばれした、わたしの前世は結構なお嬢様だったのよね。

 おかげで家同士というか血縁関係ウザいし、品行方正な環境にいた。思い出してもケッとしか思わねぇ。

 真新しい制服に身を包んだわたしは1人で本家に行くプレッシャーに恐れていた。呼ばれた理由もわからない不安感、両親の体面に対する責任感等色々。

 そんなカヨワイ小娘に本家当主である祖父と祖母は、いきなり婚約者をあてがった。

 ソイツは父の姉の子供で大学を出て24歳にもなるのに働きもせず引きこもってたヤツだった。

 今でこそ知ってはいるが叔母の旦那は無能だった。口先ばかりでイイ顔をし財産を傾けるほどの馬鹿。

 チクショウな企みだった。

 当時叔父が後継者のように振舞っていた。でも父を擁立する派閥が増えたため、祖父は自家勢力の分裂を防ぐためのイケニエを見出したのだ。

 突然のことに混乱するわたしに、既成事実まで作ろうとまでしてきた。

 怖かった。

 自分が酷い目に遭うなんてこれっぽっちも考えたことのない人生だった、お恥ずかしいことに。

 だから弱かった。

 『助けて』と泣くことしかできなかったのだ。

 悔いた。

 『助けて』としか言えなかった自分が物凄く惨めでくやしかった。

 幸い未遂で終わった事件。

 でもバレて大事になった。

 これを契機にわたしは生き方を変えた。

 髪を染め遊び歩きなんちゃってヤンキーになったのだ。要はグレた、思い返せばイタイっす。

 でもテストとか出席はキチンとするというなんちゃって感が…黒歴史。

 その時強さにも憧れ色々学んだ。その結果がこの世界のステータスに反映されてなにより?

 ついでに乙女ゲーも当時のなんちゃって不良仲間から教わったのだ。2話の前世で最後に帰宅した時わたしの部屋にいた友ね。

 補足するとお金持ち学校だったから不良仲間というかハミ出し者仲間っすかね?

 なにやらムズムズするのでわたしの過去話はもう終わる。

 そんなわけで『助けて』というワードを聞いたり思い出したりすると、前世の自我に目覚めた時やシャルロットを助けられなかった後悔で、自分の存在を強く思えるのだ。

 ついでに翔太は勇者になることへのこだわりがキーワードとなり自我を保つのに成功した。

 オタの一念岩をも通した的?


 あと思考を保つだけど、要は肉体の限界を超える訳じゃないから鍛えりゃよかったのよね。

 言ってもたかだか享年17歳だったし大したもんじゃあなかったけど、8歳よりは思考の回転数ってやつがあったのよ。

 最初うまく頭が回らない感に気付いて、こりゃヤベェと。

 それで『世界の知識』というあらゆる膨大なデータから将来役に立ちそうなことを自己学習してたら、思考を保つどころか全然早くなっちゃった。

 おかげで前世より頭いいよわたし。

 あと将棋とかチェス的なゲームがいいね。

 翔太の場合は、赤ちゃんて吸収力早いって言うけど思考が早い?わけじゃないから(個人的見解)、ボンヤリしてくるっぽい。

 なので家庭教師してイジメ抜いて鍛えた。

 その結果赤ちゃん時からの成長ってやべぇ、ヘタすると思考の回転数なら向こうが上になったかもしれん。


 んで今回何が言いたいかって、転生者は前世での死後魂の浄化を乗り越えて赤ちゃんになったから割と魂もまっさらになってるのがヤバイって言いたかったんだよね。

 そのせいで肉体から受ける影響も大きいから自我もどうなることやら。

 それと肉体が未成長だから思考速度も早くない状態。

 だから前世とは別人になったのに切り替えができない可能性もある、考えが抜けてたりね。

 あと成人していたという意識を引きずっちゃって怪しい赤ちゃんになるし、幼児経験で精神が歪みかねない。

 なにしろ赤ちゃんプレイやべーてキツいヨ。

 そういうのもあって転生者には別の怖さがあるって話でした。


読んでくれてありがとうございます。

でも今回割といらなかったかも話で、伝わりにくかったかなぁと反省

連投します。

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