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Kトンネル

作者: 押田 ゆ佑

まだまだレベルの低いものです、表現力も曖昧なので広い心で読んでいただくと嬉しいです。

あるトンネルを知っていますか?

関東にあるKトンネル。

心霊スポットでは有名なトンネルです。

そこでは様々な心霊現象が起きています。


自分も何度かそのトンネルを通りました、しかし一度として普通に通れた事はありません。


その中の、ある日の話をしたいと思います。







ある心霊スポットに友達含め計5人で肝だめしに行きました。

夏と言う事もありながら雰囲気も良く、夜風が冷たく感じる場所で懐中電灯を片手に心霊スポットをまわっていました。


結局、運が悪かったのか、運が良かったのか…何事も無く車に戻りその場を後にしました。


私は助手席に座りMが運転する車に暫く揺られていると友達Nが

『そういえば、この近くに有名なトンネルあるよね…たしかKトンネル…あそこって中でクラクション3回ならすとヤバいらしいよ』


実を言うと、そのトンネルは、時期や時間帯に関わらず、知ってる人は避けたいほど怖いトンネルで、テレビや心霊特集などでもよく取り上げられる有名なトンネルなのですが

友達Sと私は霊感が強いため事前に、肝だめし提案者Mに

『絶対通らない様に』

と念をおしていたのです。


しかしNの一言で友達Tが調子に乗って無理に行こうとすすめたため、クラクションを鳴らさず、ただ通るだけ…と言う約束でトンネルを目指しました。


軽い好奇心を踊らせたNとT

何事も無く通り抜けたいSと私

運転しながらも迫りくる恐怖を何とか振り払おうとするM


この5人は未だに当時の話は一切しません。



心霊スポットから離れ暫くすると、例のトンネルが見えてきました。

トンネルらしくオレンジ色のライトが中を照し、人気も無い、ただどんよりとした重い空気が辺りを包み込む中で、ゆっくりとトンネルに近づく車


一番最初に異変に気付いたのはSでした。


『…ヤバいよ…引き返そうよ』

そう口にしたSに

『何びびってんだよ』

とTが言うと

『見えないから言えんだよ…入り口の端っこ見てみろよ』


そう言われ目を向けると


うつ向いた状態で、ずっと佇んでいる女性がそこに立っていました。

外は少し俄か雨が降っているのに傘もささず、夏なのに長袖のコートを着ている女性がトンネル入り口右端のガードレール側に立っていました。


『はぁ?何も見えないじゃん』

とNが言うと、ポケットから数珠を出し、うつ向きながら数珠を握りしめるSの姿がバックミラーから見えました。


確かにヤバい――


そう思った時はすでに遅く、車はトンネルの中に入っていきました。


オレンジ色のライトの中で誰も居ないトンネルの中を一台、私達の車が出口を目指している時でした


急に車がエンストし、だいたいトンネル中間らへんで一度車を止めた時です。


運転していたMが

『どおするよ…悪いけど俺、外出ないよ』と、NとTに向かって投げやりに言いました。

『け、けどさぁ…免許持ってんのお前だけじゃん』

とNが怖がりながらも言うと

『知らねぇよ!!お前が馬鹿な事言うからTも調子乗ったんじゃねぇかよ!!ふざけんなよ』と

MとNが喧嘩をし始めた時


ずっと黙ってうつ向いていたSが

『なぁ…M、外出ないじゃなくて…出れないんじゃないのか?』


とボソッと口にした時に気付きました


最初聞いた時に、何を言ってるんだろう、とうとうSもおかしくなったかと思い、Mを見た時にその意味と、ヤバいものを見てしまいました。


白い手が、Mの足を掴み、また白い手が彼の席から腰をグッと掴んでいる…

明らかにおかしいのは、"白い手"の存在が何処から出ているのか

足元に人が入るスペースも無く、ましてや運転席の後ろにはSが座っており、白い手が何処から出て来ているのか…助手席の私には理解不能でした


そしてもう一つ、運転席側の窓ガラスに、入り口で見かけた女性が佇んでいる事。


『お前も見えてんだろ…お願いだから絶対に外に出んなよ、誰もドア開けんなよ!!』

とSが怒りながら、震えた声で叫ぶと

パチン…と音を立て数珠のヒモが切れ数珠が飛び散ると同時に

ふっと我に返ったMが

『逃げるぞ!!』とアクセルに足を踏み入れ車を走らせました。


先程のエンストがまるで幻覚だったかの様に車は走り出し

『早く!!早く!!』とSが言うと

『わかってるよ!!』とMがアクセルに力を入れる

きっとこの状況を理解していないのはNとTだけだったでしょう。


先程の女性、入り口に居たのに、時速70以上の車の隣に、しかもトンネル中間地点に居た事が、まともなはずもありません

そして走り出した車の後ろを彼女は追いかけて来ている事


NとTはわかっていなかったと思います。


トンネルを抜け出口から少し離れた所で一度車を止めました。

『エンストだけじゃね? そんなに怖い事もなかったし』とNが言って一度外に出ました。

私と、Mも一度外に出て空気を入れ直し、本当に現実に戻ってきたのか…曖昧な気持ちを落ち着かせていると、TとSもタバコに火をつけ車から出てきました。


『とりあえず、二度と来るのはやめような』

とSが言うと

『来る気にもならねぇよ』

と冷や汗をたらしながらMが口にしました。

『でも、なんだったんだろうね』

と私がSに訪ねると

『俺等とか次元が違うんだよ…』

と一言呟きました。

二人がタバコを吸い終わり

『早く帰って風呂入ろうぜ』

とMが言ったので、いっせいに車に乗り込んだ時に

目の前に広がった光景はきっと

全員が目にして全員が忘れない光景でしょう。


あの女性が目の前の窓ガラスにへばりつき、ニヤッと笑いながら


下目で僕らを睨んでいた事を。


Mは車を走らせ


『なんなんだよ!!』と何度も呟きながらアクセルに力を入れ

気付けは車は地元の道を走っていました。



未だに忘れる事もなく、かと言って話す事も、確かめる事もない過去の出来事です。

少なくとも、Kトンネルは本当に実在し、Sが手に持っていた、あのヒモが切れた数珠の一個一個にヒビが入っていた事は、紛れもない真実です。


あの日の帰りSがこっそり教えてくれました。

『Mに絡みついていた手、足元は見えなかったけど腰に絡みついてた白い手さ…実は後ろの窓ガラスから伸びてたんだよね…だから俺、うつ向いちゃってさ…』

うつ向いて当然だよと私は言いましたが、一番霊感も強く、しかもおばちゃんからもらったという大切な数珠がバラバラになってしまった事から、自分はきっとあの時、一番無力だと感じたそうです。


でも思ったのが、きっとあの時、数珠のヒモが切れていなかったら、どうなっていたのか…

ヒモが切れ数珠が飛び散った事でアクセルに力を入れたM

切れていなかったらと思うと怖くて仕方がないのは

今も確かです。



決してKトンネルに行く時は遊びや、好奇心で行かないで下さい

そして出来れば、Kトンネルは通らないで下さい。

下手したら…と考えた時、命なんて儚く弱く脆く、そして簡単に消えてしまう物だと気付いた時には遅いんです。


知り合いもKトンネルを通り真っ青な顔つきで帰宅し、後日お祓いに行きました。

皆様も気をつけて下さい。



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― 新着の感想 ―
[一言] 僕こういう現実的なの大好きです!!!ぞっとしますね;
[一言] 日本人ではなく、関西人で関東に行ったことがないのでKトンネルがどこにあるかとか分かりませんが、ありきたりな話だと思いました。二番煎じというか、ある種トンネル系統の話ではこれぐらいしかオチが難…
2008/04/10 19:19 草葉の陰太郎
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