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第5章――[茜・舞]生き方が変われば恋愛も変わる・・・。

第5章――

[茜・舞]生き方が変われば恋愛も変わる・・・。


彼)

ライブ行くって昨日メールくれてたけど、お前がそういうの行くなんて珍しいじゃん。

どうだった?良かった?


舞)

うん、すごく良かったよ。学校の課題で人に見せるための服を作ることになってね、参考になるかなと思ったの。


彼)

チョッと、またなんか変な服でも作るつもりだろ?


舞)

違うよ、華やかな服!見てもらうための服!

そしたらね、イメージに合うヴォーカルの女の子がいてね、その服をライブで着てもらうことに決まったの。


彼)

お前が作った服を誰かが着て歌うってこと?へー。

まー変った服作るのうまそうだからいいんじゃない。

そっち路線の方が向いてるかも知れないな。けど、自分で着ようとするなよ。


舞)

そんなことしないって。本当はあなたのためだけに作っていたいんだけど、

女の人の服も作りなさいって課題出されたから仕方がないの。


彼)

いろいろもらって着るのも少し飽きてきたし・・。

俺のためだけにっていうのはもういいから、先生のいうようにいろいろつくってみれば・・。


舞)

うん、仕方がないよね、課題だから!



洋裁学校

先生)

課題の服のデザインはできた?


舞)

はい、できました。先日、みんなでライブに行ったんです。

その時、目を惹く人がいてイメージが湧いて・・・。

それで、お願いしたら私の服を次回のライブで着て歌ってくれるって言ってくれたんです!


先生)

あら、早いわね、もうそこまで進んでるの。どんなデザイン?


舞)

あのー、その時はちょっと興奮状態で進めちゃったんですけど・・・。

後で冷静になって見たら、よくもこんなデザインでズーズーしく言えたなって言うか・・・。

やっぱり変なので後悔してるんです。


先生)

どれ、見せて。・・これ、変じゃないって!すばらしいデザインじゃないの。

あなたってやっぱり創作能力もあるのよねー。思った通りだったわ。

きっといいものになると思う。


舞)

そうですか?どうしてあの時、あんな大胆なこと言ちゃったんだろ、言わなければよかったって・・。

これじゃ相手に恥かかせるだけですよね・・。


先生)

やりなさい。今までのあなたは色やデザインで斬新な発想を持ちながら、結局は普通の形にしてしまってた。

いつも「そんなことしたら後で後悔するとか、変だから」って言うけど、

私はそれを見てもったいない、すごい才能があるのにって思ってたのよ。

どうして自分のことをそんなに変だと思うの?それってあなたの才能なのよ!


舞)

でも私、変だと思われたくないんです。人から変だと思われるのが怖いんです。


先生)

あなたが言う「変だと思われる」って私にはよくわからないけど、

舞さんは人には真似できないものを持ってるの。私なんか、そんなあなたをうらやましいと思うわ。

だからその才能に気付いて欲しいのよ。


舞)

才能なんですか?


先生)

こんな創造力のある作品、作らないのはもったいないわよ。

手伝うからそのライブに間に合うように一緒に頑張りましょう。

さー、どの生地にする?


舞)

は、はい・・・。


先生)

あなたと一緒に作るのが楽しみになってきちゃった。

きっと素晴らしいのができるわね!


舞)

先生、私、これでいいんですか・・・?


先生)

自信を持って!そして自分の才能に早く気付いてね!



舞)

(そういえば占い師のオバサンから言われたっけ・・。)

「良い手してるね!あんた。すごいじゃないの、これ!人にない素晴らしい才能を持っているよ。それにこの才能は多くの人をひきつけるし多くの人から尊敬を集めることができるよ!」

(私は周りから変だって思われないようにしてたのに、変なところが人に真似できない、先生もうらやましいと思うぐらいの才能?変でいいの?それがホントに私の才能なの?)



所くんと茜

所)

フォークソング部の発表会は行ったの?


茜)

行った、行った!自分の作った曲をみんなが歌ってくれるって最高!感動しちゃった!


所)

あいつら、またいい曲があったらやりたいから連絡欲しいって言ってたよ。


茜)

本当?でももう出せるのなんてないんだけど・・。


所)

今まで作った詩とか曲とかは?前にノートを見た時いっぱい書いてたじゃん。


茜)

恥ずかしくて出せない、ムリムリ。あの曲だけなの、人前でも出せそうなのは。


所)

茜。なんか良いのだけ出そうってしてるけど、そんなこと考えないで全部出しちゃえば。

だってお前が感じたままを真剣に作ったんでしょ。

せっかくだから、それ一緒にカタチにしていこうよ。


茜)

え〜、恥ずかしいもん。それってホントに内容がカッコ悪くて情けないって言うか、

誰にも知られたくない自分だもん。


所)

前もチラッと見た時、これはダメって言われたヤツ。

「地平線の彼方にある、心にしか見えない光が私に生きてていいって今も許してくれているから・・。」


茜)

恥ずかしいから!それやめてよ!


所)

あれなんか俺は一番良いと思ったけど。その時、お前ってスゲーなーって感じたのに。


茜)

モーイヤッダって!!


所)

北斗のオーナーも言ってたけど、みんなから良いように思われようとしないで伝えたいって気持ちが一番大切だと思うんだよ。

そうじゃなきゃ、俺なんかこんなこと続けられるわけないでしょう。

自分にとって何が大切かなんだけどな!


茜)

自分にとって何が大切なのか・・?

(占い師のオバサンが言ってたっけ・・。

「大丈夫だよ。今、彼があなたの大切にしていたものを心の中から引っ張り出そうとしてくれているから。」)


所)

そう。どうして恥ずかしいとか情けないって言って、

良いように自分を見せるために自分の大切な気持ちを隠すのか俺にはわからない。

俺ならこれ見よがしに「俺、こんなの書いたの。見て!見て!」

ってみんなに見せちゃうけどなー。


茜)

良いように自分を見せるため自分の大切な気持ちを隠す?


所)

あー、ごめん!言い過ぎた?無理なら仕方ないよな。

フォークソング部の奴に適当にうまく言っておくから。


茜)

(この人なら今まで書いてたものを全部見せても私を弱くてダメな人間って思わないで受け入れてくれるだろう。)

所くん、本当にあんなのでいいの?本当にいいの?


所)

どうしたの?真面目な顔しちゃって。エッ!泣いてるの?なんで泣いてんの?

俺、何か傷つくこと言ちゃった?ごめん、ごめん!



先生と舞

先生)

舞ちゃん、今何を考えてるの?


舞)

もっと、胸の部分を狭くして襟を丸く小さくしたらって・・。

でも変ですよね?バランス悪くなるし・・。


先生)

こんな形に?じゃぁ、袖は?


舞)

袖はこうして・・。


先生)

それにしましょう。


舞)

や、やっぱり変でしょう?最初のデザインのまま進めたほうがいいかな・・。


先生)

舞ちゃん、私がよく行く料理屋さんなんだけどね。

前もってメニューは考えてるんだけど、結局作っているうちにその素材が最も生かせるようにしていくから

最後には初めとは違う料理になっちゃうんだって。だからいつ行っても食材がいきてて本当に美味しいの。

その感性が良い物を作るの。すぐ、その形に変更しましょう。今は練習でしょう。自分の感性を信じること。

そして、感じたままに進めること!


舞)

変でもいいんですよね・・・。


先生)

そう!あなたの言う「変」が才能なのよ!



茜)

所くん、舞ちゃんから服ができたって写メールが届いたよ!


所)

スゲー!空と夕陽と雲がテーマ!これで今作っている曲歌ったら最高だよね!楽しみだなー。


茜)

うれしいよね!歌に感動してくれた舞ちゃんが全力で応援してくれているんだもんね。

それなのに私、恥ずかしいとか情けないとか言って自分を良いように見せようとしてたなんて・・・。


所)

そうだよ、茜。さー、やろうぜ!!



ライブ会場

所)

茜、次だよ!


茜)

ネェ、所くん。

一度聞きたかったんだけど、所くんの一番大切にしているものっていったいなんなの?


所)

いきない本番前になんでそんなこと聞くの?


茜)

前から聞きたかったんだ。


所)

大切にしているもの?わかんないなー。考えたこともない。


茜)

じゃ夢とか?


所)

夢?夢ねー?っていうか理想だけど・・。俺バイクが好きなんだよ。

バイクの改造関係とかそんな部品の営業なんかして、それであっちこっちのバイク野郎と知り合いになるの。

そして日本中、いや世界中をバイクで走りまくっていろんなことを感じていくんだ!

そこで感じたことをまた詩にして曲作って、そしてここに来て同じようにこうして歌い続けるの。

30歳になっても40歳になっても、彼女ができてたらその彼女と、結婚して家族ができたらその家族と一緒にここで歌うの。

これが俺の夢かな?オーナーには毎回言い続けてるからオーナーが死なない限り大丈夫!

・・・できれば茜ちゃんみたいな子と一緒に・・・なんて、ムリだよね!冗談、冗談!


茜)

所くんとなんかそんなこと、絶対ありえない!!

(初めはこんな人ありえないって思ってたけど・・。

この人と一緒にそんな人生を歩んで行くのってなんだか幸せっぽいな・・。)


所)

さー、出番だよ、茜!


茜)

私は今まで自分の本当の気持ちを表すことをみっともないとか、

暗いとか、弱いとか、恥ずかしいとか思ってそんな自分を隠そうとしてきました。

でも今日は違います。

舞さん、この衣装が私に勇気を与えてくれました。

前回のライブに来られた時に、その気持ちを歌って欲しいって衣装を作ってくれたんです。

これを見たとき迷いはなくなりました。心から感謝いたします。勇気をくれてありがとう!


舞)

(恥ずかしいのは私なんだけど・・。

私のことも服も変だとは思わないの?

無理して着てくれてるんじゃないの?本当は迷惑じゃないの?

嫌じゃないの?どうして私が勇気を与えているの?

私が作った服で私と同じ気持ちを歌ってくれている。

それだけでも私にとっては幸せなのに・・・。)


オーナー)あの衣装、君が作ったの?いいな〜。

ライブの最後に僕、出るんだけどね、嫌じゃなかったら僕にもなんか作ってもらえないかなー?

できれば3万円ぐらいの範囲でお願いしたいんだけど・・。3万円じゃムリ?


舞)

えっ?本当に私でいいんですか?


オーナー)だってカッコいいじゃない!

あんなの僕も一度やってみたいんだけどなー。


舞)

わかりました。ライブを見てデザインを描かせてもらいます。

それからでいいですか?

私、自信がないんです。


女の子達)

私達、日ごろ路上ライブやってるんですけど、印象弱くてよく他のバンドと間違えられるんです。

だから何かインパクトあるものをって思ってたんですけど、

一人1万円で3人分、歌と私達に合う衣装みたいなものって作ってもらえないでしょうか?ダメですか?


舞)

私でいいの?じゃライブを見てデザインを描かせてもらいます。

それからでいいですか?

私、自信がないんです・・・。

(いいの?ホントに2つも頼まれちゃったけど、わー、どうしよう?)



ライブの帰り

舞)

どうしよう、どうしたらいいの!!オバサン!


占)

おや、舞ちゃん。どうしたの?


舞)

私に服を作って欲しいって、2つも頼まれちゃったの!こんな私でいいの?

また急ぎすぎていない?今ね、ライブ行ってきたんだけど・・・。

えっ?チョッと待って。あれって彼?


彼)

舞!


舞)

オ、オバサン!今、大声でこっちに向かってくるのが彼です。


占)

あなたがどんどん輝いてきたから、彼は自分から離れていくんじゃないかって心配で迎えに来たんだよ!


舞)

私が彼から離れていくんじゃないかって?どうしてそんなこと彼が思うの?


占)

いいんだよ。ほら、彼が心配してるから行ってあげて。


舞)

はい。じゃ、また来ます。


占)

(おやおや、二人の後ろ姿にはこれから彼より大きくなっていく舞ちゃんの姿が見えるねー)



所)

茜、最高!今日は俺のライブ人生の中で一番良かったんじゃないかな。

それにオーナーも喜んじゃって「また次もゴールデンタイム待ってるから」だって。すごいねー。


茜)

ホントにー?あ、占いのオバサンだ、まだ帰ってなかったんだ。行って見ようよ。


所)

占いのオバサン?


茜)

オバサン、紹介します。前に絶対にありえないって言ってた彼、所くんです。


占)

あら、茜ちゃん。これがあの彼?ああ、思った通りいい人相してるね。

やっぱり、あなたにぴったりだよ。


茜)

ヤダ。オバサン。だからそんなのありえないって。ハハハ。


所)

ありえないってなんのこと?


茜)

いいの!じゃ、また来ますね。


占)

ハイ、いいですよ。私はいつでもここに座っていますから。

(茜ちゃん、もうここに来る必要はなさそうだよ。

だって、ギターを持って10年後も20年後も、

ここをその彼と仲良く歩いているあなたの姿が私にははっきり見えてるからね。)


そりゃ、そうだろう。

生き方が変われば、恋愛が変わる。


恋愛が変われば、人生が変わる。

だって、

恋愛は人生の縮図なんだから・・・。


(完)


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