03
これでプロローグは終わりです。
プロローグなら一つにまとめろよって話ですよね^^;
「あ~俺が悪かった、ホント、ガチで、すまん」
俺は絶賛土下座中である。
それも、始まりの町でも一番見通しのいい大広場で、だ。もちろん色んな人の視線を集めることになる。が、今はそんな事を気にしている余裕もなかった。
「……………」
こいつが俯き、泣いていたからだ。
いや確かに、今回のは俺が悪かった。全面的に悪かったと思ってる。だからこうやって謝罪をしているのだが。
因みに、こいつの名前は柏木綾と言うらしい。どっかで聞き覚えのある様な気もしたが、覚えのある~的な事は必ずと言っていいほど思い出せないのでそこでその思考を止める。
「許すのは許すが、条件がある………」
威厳を持ってそう言っているのをヒシヒシと身を持って感じているのだが、その赤く染まった顔と涙で何とも言えないような感じになっている。
しかし俺にとって許してもらえるのは有難い。
何せこれから綾と俺は二人で行動することになるのだ。このままギクシャク状態で共に行動してもお互い気まづいだけだ。俺は気まづい雰囲気が超といっていいほど苦手だ。だからそれは避けたいのである。
「わかった、言ってみろ」
俺は決死の覚悟でその言葉を発する。
俺には綾の考えていることなんて毛ほどもわからない。
「綾って呼んで」
「へ?」
あまりの普通さ加減に思わず素っ頓狂な声を出してしまう。
「綾って、呼んで?」
ちょいちょいちょいッ!頬を赤く染め、目を潤わせながらさらに上目遣い、その上甘え口調でそう言われると流石の俺でも拒否れません。ってか断ったら罪悪感で死にたくなる。
「も、もちろんさー!」
「……彰人」
「ん?なんだ綾」
「………ふふ」
綾は満面の笑みで笑う。
俺はそれを呆然と見つめていた。見蕩れ、というやつだ。
彩が笑うその姿は、美しすぎて俺と同じ人間だとは思えない。俺は心臓をギュッと握られた感じがした。
「そろそろ場所変えないか?」
その言葉で俺は意思を取り戻し、周りを見渡すと……すごく色んな感情が込められている視線が俺に集中していた。原因はわかっているが……理不尽だ。
「そうだな、そうしよう、Let'sラGo!!!」
「………キャラ崩壊してるな…」
誰のせいだよ誰の。
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取り敢えずあの場を後にした俺達は、始まりの町をぶらついていた。
一応目的という目的もありはする。仲間探しだ。
しかし仲間と言っても行動を共にする仲間、単にモンスターを狩りに行く為の仲間ではない。その為、なかなか見つからないのだが……俺のセンサーになにかビビビと反応した。
これは……俺の唯一無二の親友……まさかッ!
唯一無二の親友、これは俺の唯一の友達でもあり、幼馴染でもある。そのたった一人の親友が俺の近くにいると、俺のセンサーはビビビと反応するようになっている。
俺はセンサーを頼りに辺りを見渡す。
その中で、一番センサーが反応したプレイヤーに視線を向ける。そのプレイヤーは、栗色の髪をポニーテールに結び、何とも動きやすそうなジャージを着ている。
一瞬横顔が見える。
そして俺は絶句した。
何故俺の知り合いは体格容姿変更をしていないんだ、と。
俺は走ってそいつの元へ移動する。もちろん綾も連れて。
「彰人、どうしたんだッ!?」
行き成りの出来事に驚き、やや叫び混じりに俺にそう尋ねる綾。
「俺の親友が居るッ!きっと仲間になってくれるはずだ、急ぐぞッ!」
と言ったものの、俺が見渡して見つけることが出来る程の距離だ。そこまで離れていないため、直ぐに辿り着く。
「ハァ……ハァ……」
内心、歓喜しすぎて息を切らしてしまっている俺。
そんな俺を見たそいつは。
「私に…何かようかな?見たことない顔だけど…」
ですよね。
態々倒置法を使い、そう聞いてくる俺の親友。俺の後ろには綾。すると俺の親友は綾を目にすると、もともと大きいその目をもっと見開く。
「柏木綾……綾ぴょんだよねッ!?」
「へッ、あ、うん……」
「なんだ綾ぴょんって……知り合いなのかお前ら?」
親友の言葉を綾は驚きつつ肯定し、俺は怪訝に思い問う。
「え、あ、知り合いと言えば知り合いですかね…同じクラスでしたので。あ、私は別に綾さんと距離を取っていた訳じゃないんですよ?唯、綾さんに話しかけようとすると、友達が止めるもので……」
「あっそ、んで何で敬語?」
親友の癖に。そう思ってしまうのは仕方がないだろう。なんたって”唯一”なのだから。
「え、あ、その……タメでいいならタメで話すけど……誰?」
オーマイガットッ!
そう言えば体格容姿変更してて現実の俺とは全く違う外見をしているんだった。ってさっき一回気づいたのに言うの忘れてた。
「ああ、俺だ俺、坂町彰人」
「………マジ?」
俺は親指を突きたてニヤリと笑う。
すると。
「アッキーッ!?うわ~ん怖かったよ~!」
と言って抱きついてきた。
なんですとッ!?
「ど、どうしたんだよ凛」
「だってさ~!βテスターに当選したと思ったらさ~、これだよ~!?怖くないわけないじゃんッ!」
そう言って俺に抱きついたまま泣き続ける凛。
因みにこいつの名前は鏡音凛……ではなく、伊都島凛だ。俺の唯一無二の親友であり、友達、幼馴染である。実はこいつ、女だったりする。
女が親友とかナヨ癖ーとか言わないでください。
「ん、大丈夫、俺がいるからさ」
慰めるため、そう呟いて頭を撫でてやる。暫く撫で続けていると、凛は包容を解いた。
「ありがと、いや~我ながら大胆な事したな~」
「っま、助け合うのが親友ってもんだろ?」
「……ん、そうだね」
そう言う凛は、どことなく元気がない。
どうしたんだろう?
綾に聞いてみようと振り向くと、綾がジト目で俺を睨んでいた。
「…………?」
どうしようもない俺であった。
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「よし、取り敢えず始まりの町の外に出てみようぜ」
「そうね、取り敢えず此処からでないことには何も進まないし」
「同感だな」
あのあと、どうにかして俺は二人の機嫌を戻し、凛に仲間にならないかと聞いたところ「当たり前じゃん」との返答。いや~本当、親友っていいよね。
「取り敢えず……歩くしかないよな…」
「βテストで何の情報もないしねぇ~」
そうなのだ。
これはもともとβテストの筈だった。その為情報も最小限しか公表されていなかった。
しかし一度ログインしてみればあらまぁデスゲーム、多分始まりの町から出ようとしているのは俺達が初めてであろう。始まりの町、所謂武器屋防具屋道具屋がある様な町は安全圏内と呼ばれる。
それはモンスターが侵入できない場所であるからだ。その情報は公表されていた。
結局、最小限の情報公開しかしていないのだが、その中の一つが話題をよんだ。
――CrusadeOnline製品版の仕様はデスゲームとなっております。ゲーム内で死亡すると現実で死に、現実に帰還する方法はゲームをクリアする事になります。それをご了承の上、お買い求め頂ければなと思います。
一つは、まだβテスト前なのに既に宣伝してんだ?
一つは、デスゲーム?
一つ目は疑問になるだけですんだが、二つ目はそうもいかない。
国が動く。
だが、このCrusadeOnlineの制作会社、かなりの権力を持っているのか国を退けた。
これにはいくつかの説がある。
一つはどこかの国の軍事機関と繋がっており、止めるようならば戦争を仕掛けると脅した。
一つは金にものを言わせ、国を納得させた。
一つは催眠術を使い、国のトップを操った。
エトセトラ。
そう言った問題を次々と解決し、黙らせβテストまで行き着いた制作会社であるレフィアには、誰もが恐怖を禁じ得なかった。
だが、公式ではβテストはデスゲームではないと公表されていた。
その為あの応募人数。
その為、制作会社であるレフィアに騙された1万ものβテスター。
もし、もし仲間に被害があったら、潰してやる。
と言う何とも馬鹿らしい思考に入り始めた俺は、その思考を打ち切る。
今更どう考えても一緒だ。この世界から出るにはゲームをクリアするしかない。ならば、クリアすればいいだけ。後は何もいらない。
唯、今は突き進めばいい。
「ま、行こうか」
真剣に考え事をしていた俺を、眺めていた二人に言い放つ。
二人は多少ビクッと驚いていたものの、笑みを見せハモってきた。
「「Let's Go in to the unknown!!!!!」」
いつの間にそんなに仲良くなったのか。と言う疑問を抱きながら、歩き出す俺であった。
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