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プロローグ

            「…まさかケルベロス計画がこんな形で成功するなんて皮肉なものだな…。博士…(キミ)はこの計画の結末を予想してこの実験を降りたのか…」

辺りは紙や機材など色々な物がその場に散らばっておりそのどれもが赤く染まっていた。



「自然のコントロール…実現にするにはまだ早すぎたかもしれないな…」

白衣に身を纏った男性は小さく微笑むと側にあった銃を手にとり自分の頭に銃口を向けた。



「人類に裁きを…」

その直後破裂音が響いた。そして数秒後、辺りには水が滴る音が鳴り響いた。






















東京


俺、篠原(シノハラ) (アキラ)は思う。人間は皆平等じゃなければならないと思う…


「中間試験の結果報告だ…桐野(キリノ)お前は文句無しの満点だ。よくやった。

そして…」

そこで俺の担任の先生、通称熱血オッサンこと山岡 宏(ヤマオカ ヒロシ)はこめかみに血管を浮かべるとパンチのきいた声で俺の名を呼んだ。



「篠原ぁ!!なんだこの点数は!」

先生は赤く四点と書いてあるプリンとを俺に乱暴に手渡した。



「いや〜…一応勉強はしたんですけどね〜」



「言い訳無用だ!今日は俺と夜まで補習授業だ!」



「そ…ん…な!?」

こんな暑苦しい先生と補習授業だなんて拷問に等しいぞ!それだけは回避せねば…



「先生…今日は家の用事があるんですけど…」



「心配するな、親からは了承を得てる。」



「あのクソババァ!!」

俺は今が授業中にも構わず大声でそう叫んだ。










キーンコーンカーンコーン授業チャイムが鳴ると先生は宿題を黒板に記して教室をにし、俺はそれを見計らって机に突っ伏した。




「また西岡先生の補習とったんだって明君。」

と、その時前から甘く妖艶で一度聞いた耳から離れないような印象的な声が耳に入ったので俺はだるい体を無理に起こして前を向いた。



「魅喜か…一瞬あまりの可愛さに天使と思っちまったじゃね〜か…」



「や、やめてよ、明君!」魅喜は顔を真っ赤にして顔を手で覆った。

赤神(アカガミ) 魅喜(ミキ)中学から今の高校二年まで一緒だった子でとあるきっかけで仲良くなった。容姿はかなり良くスタイルも抜群、髪はショートカットで艶がありオマケに頭も良くて性格も優しい。

その為、男子からはモテモテでいつも男子からの告白が耐えない。

そんな魅喜はまだ顔を真っ赤に染めており少しうつ向いていた。…うん。これもこれでアリだな…。

そんな事を思っていると不意に頭に急激な痛み…がって…



「痛ってーーー!!!」

俺は机と椅子を押し倒すと頭を抱えて床をのたうち回った。こんな事をする奴を俺は一人しか知らない。俺はズキズキする頭の痛みを何とか耐えて立ち上がるとソイツに向かって怒鳴った。



「楓ー!いつもいつも俺の頭に物を投げるのはやめてくれって言ってるだろ!」


「いや〜今明が幸せそ〜に笑ってたから、つい邪魔したくなってきただけ、だからあまり気にしないの。」



「余計気にするわ!それに俺の幸せを邪魔したくなるって、お前最低だな!」



「最低って、今魅喜の事見て、イヤらし〜事考えてた人には言われたくないよ。」と、言うと楓は俺の下半身に目をやってニヤリと笑った。

清水(シミズ) (カエデ)。俺の昔からの幼馴染みで、少し男勝りの所があり昔は良くコイツと公園で遊んでいた。顔立ちはあの魅喜と張り合えるぐらい良いが性格が少しネジ曲がっているので男からはあまり人気が無い。…ま〜要するに宝の持ち腐れって所だ…



「イ、イヤらしいって…」不意に魅喜が蚊の泣くような小さな声でそう呟くと、一層顔を赤く染めた。



「相変わらず、お前らは騒がしいな…」



「朝っぱからイチャイチャしおって、すみにおけんな明。」

と、そこで見るからに冴えない二人組の男がこちらに話し掛けてきた。



「誰がイチャイチャしてるだ、お前の目は腐ってるのか草野…」

木尾方(キオカタ) 草野(クサノ)。出身地は大阪で、中学から東京に引っ越してきた。

髪はボサボサで目はつり上がっており、趣味は女子観察と言うちょっと危ない奴である。



「おっとそれより亮、宿題見せくれ。」



「宿題くらい自分でやれよ…」

亮はそう言いながらも俺にノートを渡してれた。

神代(カミシロ) (リョウ)

コイツも草野と同じ中学からの付き合い。髪はスポーツがりで剣道をこよなく愛している。そのせいか、いつも竹刀を持ち歩いている。



キーンコーンカーンコーンそこでチャイムが鳴ると生徒達は自分のクラスに戻るなど授業を受ける準備をしていた。



「よし、じゃあ授業に戻ろうか。」

楓は腕をブンブンと振り回すと自分の席へと向かった。



「じゃあ、俺達も自分のクラスに戻るか…」

亮もそう告げると草野を連れと自分の教室へと向かった。



「それじゃあ、私も…」

魅喜は俺に頑張ろうね、と付け加えると自分の席に戻った。



俺は信じていた…

こんな、楽しくてときに辛いそれでも愉快な人生が永遠に続く事を…


俺は気づくのが遅すぎた…

既に俺達の運命には鎌が振り落とされているのを…


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