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きらきらの道

 町の空気は、つめたい。

 でも雪は、きらきらしていました。

 街灯の下には、星くずみたいな粉雪が残っています。


 しもっこが言いました。


「まずは、街灯の下!」


 サクが近づくと、雪がさらさら舞って、金粉みたいに光りました。


 きらり。

 きらり。


 その中に、銀の糸が、すうっと一本落ちてきました。

 光の糸。冷たいのに、やさしい光。


「拾って。ポケットへ!」


 サクがポケットに入れると、胸のあたりが少しだけ、ぽかっとしました。


「次は、凍った水たまり!」


 まるい氷は、月の鏡。

 のぞきこむと、空の月が、もうひとつ下にいます。


 きらり。

 きらり。


 氷の上で、銀のしずくが、ころん、と光りました。


「光玉だよ。そっと、そっと」


 サクが指先でつまむと、手のひらが明るくなりました。

 それもポケットへ。

 ぽかっ。


「次は、神社!」


 石段の上。鈴の下。

 風がふくと、鈴が鳴りました。


 ちりん。

 ちりん。


 音が鳴るたび、霜の粉がふわっと舞います。

 銀だけじゃない。ほんの少し金色も混ざって――


 きらきら。

 きらきら。


 サクは思わず笑いました。


 ふふっ。


 すると、窓の地図の星のしるしが、ひとつ増えた気がしました。


 でも――。


 空が少し明るくなってきます。

 太陽が来る。

 霜が溶ける。


 しもっこが、ぴん、と帽子を押さえました。


「急いで! 道が消える!」


 サクの胸が、どきん、と鳴りました。

 銀の地図の線が、うすくなる。

 「ちかっ」も、小さくなる。


「終点はどこ?」


「町外れのベンチ!」


 サクは走りました。

 走って、走って、ベンチまで。

街灯の下、凍った水たまり、神社の鈴。

冬の町には、光が集まる場所がいくつもあります。

この章では、拾える“きらきら”をたくさん並べて、読んでいる人の目にも耳にも「冬ってきれいだな」と残るようにしました。


そして、拾うたびにポケットがぽかっとするのは、

きらきらは見た目だけじゃなく、心の温度も少し上げる――という合図です。

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