未熟な生命を抱きしめる
『未熟な命を抱きしめる』
未熟なまま、
わたしは親になった。
完璧な地図も
羅針盤もない。
ただ、震える手で、
小さな命を抱きしめた。
あの日、誰かが言った。
未熟なものは親になるな、と。
その言葉が、
ガラスの破片のように心に刺さる。
わたしは知っている。
傷つけたことも、
戸惑わせたことも。
でも、同時に、
愛したことも知っている。
この鎧は、あなたを守るため?
いいや、違う。
これは、弱いわたしを守るためのもの。
でも、あなたのまなざしが、
わたしの鎧に光を当てる。
ヒビが入るたびに、
風が通り抜け、
初めて知る、
心の呼吸。
完全な愛なんて、
どこにもないのかもしれない。
でも、
信じることを恐れず、
手を繋ぎ、
共に歩むこと。
それこそが、
唯一の、
愛の地図なのだと、
今、知る。
ご高覧賜り、誠に有難うございました。
もしお気に召していただけましたら、高評価およびブックマークのご登録をお願いいたします。
レビューや誤字報告なども、今後の励みとなりますので、ぜひお寄せください。




