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第十九話 君に夏を
放課後、学校帰りそのままで神社に行く。
「――おかえり、夏気」
境内に一歩入ると、落ち着いた風に混じって穏やかな声がして、彼が立っていて
「ただいま、鬼見月」
僕は走り出す。
色付いた世界で生きることをまた始めたけれど、思う。
色褪せていようが色付いていようが、一点、鬼見月だけは変わらなかった。
やっぱり、愛しい人の周りというのはいつも鮮やかなものなんだな。
ぎゅう、と抱きしめ合って愛を伝える。
「いくらでも光を」
と君が言うから
「何度でも夏を」
と僕は返す。
世界が枯れても、また君に冬や夜が訪れても、何度だって僕はこの夏を君に贈る。届けに来るよ。
最後まで読んでくださりありがとうございます。楽しんでいただけたでしょうか?
実は初めて書いた一万字超えの小説でした。
設定、裏話、ボツ、原形へは下から飛べるので、気になる方は覗いてみてください。
最終話までのネタバレを含みます。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25356034




