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呑気に会話する
奴ら3人の座る
ベンチの背後で
僕は一瞬
気を落ち着かせてから
二つの催涙スプレーを
ポケットから取り出して
おい!
お待たせ!
と
大きな声を出すのと
同時にスプレーを噴射した。
計画通りだった。
僕の大声を聞いて
奴ら3人とも反射的に
ベンチに座ったまま
背後に振り向いてくれた。
その三つの顔に
多量のスプレーが
見事に浴びせられた。
うっ!?
目がいてえ!
高坂だな!
てめえ
なにしやがった?
と
3人が悲鳴を上げた。
どうやら
僕にヤられたことが
奴ら3人がわかったようだ。
それは
声を聞いたからか?
あるいは
催涙スプレーが
目に入る直前に
僕の姿が見えたのか?
でも
そんなことは
どうだっていい。
自分のことを
隠す必要などないし
どうせわかるんだ。
やったぞ!
もう僕の計画は
成功したのも同然だ。