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こちらからは
向こうは見えるが
向こうからは
よく見えないからだ。
竹やぶの半分ほど
進んだところで
神社の裏庭が見えてきた。
奴らは3人とも
もう揃っていた。
長いベンチに座り
いかにも楽しそうに
話しているのがわかる。
きっと
もうすぐ大金が入ると
信じているんだろう。
しかし
僕は今
金なんて全く持っていない。
財布もカードも
駅のロッカーの中に
リュックごと入れてある。
奴ら3人の姿が
見えた地点から
少し進んだ所で
僕はバケツを置いた。
あまりにも
奴らの近くに置くと
臭いを感じるからだ。
そして
小さなリュックから
催涙スプレーを二つを出して
左右のポケットに入れる
そして
催涙スプレー対策に
目にはゴーグルを付け
大きなマスクも付けた。
まさに
今の状況は
僕には最高だろう。