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あたかも
その言葉は
最後の別れを
匂わすようなものだ。
しかも
友達だったとか
過去形になっている。
普段の小沢君なら
僕が今から奴らに
とんでもないことをやると
察することができるだろう。
しかし
今の小沢君は
憔悴しきっていて
そこまで察することはない。
僕が部屋から
出ようとした時
僕を心配して
来てくれてありがとう!
また鳥新で
3人で揚げ物を
食べに行こうね!
と
背後からの
小沢君の声がした。
鳥新というのは
3人の通学路にある
お肉屋さんである。
そこの揚げ物
コロッケ、ハムカツ
串カツなどは絶品で
安くて美味しい。
僕たち3人は
鳥新で学校帰りに
立ち食いしていくのが
一番の楽しみだった。
もちろん
僕の食べた分は
小沢君と野村君が
割り勘で払ってくれた。