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その手紙を
お母さんに渡せば
小沢君は読んでくれるだろう。
ただ欲を言えば
僕は最後に一度
小沢君に会いたかった。
しばらくして
どうぞ!
お入り下さい!
と
インターフォンから
小沢君のお母さんの声。
よかった!
会ってくれるんだ!
と
僕は嬉しかった。
やはり
この世を去る前に
とても世話になった
小沢君に会っておきたかった。
玄関を入ると
よく来て下さいましたね!
と
お母さんは迎えてくれた。
その表情は
どこか不安そうに見えた。
おそらく
息子が先月末から
もう二週間ほど
不登校なのが心配なんだ。
うちの子は、いったい
どうしてしまったんでしょうね?
食事も、あまり
食べたくなったし・・・
ずっと元気も無くて・・・
学校で何かありましたか?
と
お母さんは
僕に聞いてくる。