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奴ら3人は
僕よりも足が速い。
それゆえ
逃げ出されたら
追い付けないはずだ。
そうなると
復讐できるのは
3人全員ではなく
1人か2人になってしまう。
そんな不安が
慎重派の僕には
ほんの僅かあったんだ。
これは
常に最悪の状況を
想定して行動する
自分の悪い所だろう。
なにしろ
客観的に考えても
僕の午後二時からの
計画は99%は成功する。
だから
失敗を怖れる
必要などないんだ。
ところが
今、ここの竹やぶを見て
僕は100%になるだろう
アイデアが思い浮かんだ。
これは
まさに盲点であった。
僕は奴ら3人と
真正面から正々堂々と
対峙することばかりを
今まで考えていた。
そうでなく
奴らを背後から
襲えばいいだけだ。
神社の裏地からは
この竹やぶは見えづらく
ほぼ死角となっている。