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なぜだろうか
百華さんとは初めて
会ったような気がしない。
あたかも
これまで
何度か話したような
気分になっている。
その理由が
百華さんの
顔を見ているうちに
僕には、わかってきた。
百華さんの顔が
ある職員の顔と
オーバーラップしたからだ。
その職員は
図書室の担当でもある。
これまでに
僕も何度か
話したことがある。
彼の身長は
僕よりも高くて
180センチほど。
さらには
俳優のような
端正な顔立ちをしている。
ただ
眼光は鋭いから
悪役のイケメン俳優に
人には見えるだろう。
悪い言い方だと
目付きが悪いから
反社の人間のようだ。
たぶん
その職員の娘さんが
百華さんであることを
僕には、わかったんだ。
とにかく
百華さんの
整った目鼻立ちは
その職員とは
瓜二つというか
まさに生き写しだ。




