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それ以降
僕は彼女のことを
百華さんと呼ぶことにした。
当然ながら
初対面の女の子を
百華と呼び捨ては
僕にはできない。
百華さんと
会話しているうちに
この子は
僕の情報を
事前に聞いているな!
と
感じるようになった。
というか
僕の人となりを
聞いていたから
ここに来たんだろう。
見たところでも
話してみてもわかるが
百華さんはヤンキーでない。
話した感じ
普通の女子高生である。
そんな子が
少年院にいる
少年に会うのは
やはり躊躇する。
というか
頼まれても
断るであろう。
それ以前に
少年院としても
一般人の女の子に
絶対に入所者に会わせない。
この点においても
僕は特別扱いなんだ。
おそらく
百華さんは
ここの職員の
親族であろう。
その親族から
僕の情報を詳しく
百華さんは聞いたはずだ。




