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もちろん
ダメ元であった。
というか
お前、何言っとる!
とか
所長に叱られることを
僕は覚悟したほどだった。
ところが
その僕の頼みを
所長は叶えてくれたんだ。
おそらく
社会復帰に向けての
訓練の一環としたんだろう。
月に1度
僕は女性と談話室で
二人で話せるようになった。
とはいえ
相手の女性は
カウンセラーさんだ。
さらには
若いといっても
僕よりも10歳位
歳上であった。
その女性は
確かに美人である。
月に1度の
30分ほどの
彼女との会話は
僕も楽しかった。
しかし
欲を言えば
自分と同年代の
女の子がよかった。
その気持ちを
僕は10月の面談で
所長に打ち明けたんだ。
もしかしたら
僕は半年後
ここには、いない。
なので
もう何を言っても
恥も掻き捨てだ!
とか
思ったのかもしれない。




